著者 : 藤木薫子
なに不自由なく育ったシェイラ・ロジャーズは、ある日突然、すべてを失うことになった。新婚旅行の最中、メキシコ山中で山賊の一団に襲われて夫を殺され、彼らの隠れ家に連れ去られた。一団を統率するラファーガ〈風〉と呼ばれる男は、自分に女がありながらも、シェイラに野性的な情熱を抱く。けんめいに拒みつつも、シェイラはいつしかこの荒々しく力強い男に身も心を委ねたいと願うようになっていた。しかし、それもつかのま、捜索の手は刻々と迫っており、シェイラにもついに決断の時が来た。
きらびやかなグランドオペラ舞踏会は、ジニイとスティーヴの噂話でもちきりだった。アメリカ上院議院ブランドンの娘ジニイは、ロシアの貴族サルカノフの未亡人となっていた。ジニイを連れ戻したスティーヴは、ふたりの過去がスキャンダラスな話の種になることを辟易してくる。ついに彼は、一年の約束でジニイに結婚をせまる。華麗な結婚式-だが、それもジニイには空ろな出来事として映らなかった。二人の間からはわだかまりがぬけず、スティーヴの態度もどこかよそよそしい。そんなある日、スティーヴは彼女を娼館に連れこむのだった。
義理の母ソニヤはスティーヴの愛人だった!ジニイはスティーヴと別れる決心をすると、ひとりメキシコに旅立つ。その傍には、ジニイを自分のものにしようとするアンドレがいた。が、突然の大地震で失明してしまうジニイ。スティーヴは彼女が死んだと聞かされるや、アンドレを追い、決闘の末、彼を殺す。傷心のスティーヴは、ジニイへの思いを振り切るようにプレヤーズ・エンドに向かうのだった。南北戦争直後のアメリカ南部を舞台に、淑女と娼婦のふたつの顔をもつヒロイン、ジニイとスティーヴの愛と憎しみのドラマ「甘い野生の恋」の完結編。
なに不自由なく育つたシェイラ・ロジャーズは、ある日突然、すべてを失うことになった。新婚旅行の最中、メキシコ山中で山賊の一団に襲われて夫を殺され、彼らの隠れ家に連れ去られた。一団を統率するラファーガ〈風〉と呼ばれる男は、自分に女がありながらも、シェイラに野性的な情熱を抱く。けんめいに拒みつつ、シエイラはいつしかこの荒々しく力強い男に身も心もゆだねたいと願うようになっていた。しかし、それもつかのま、捜査の手は刻々と迫っており、シェイラにもついに決断のときが来た。