著者 : 輪渡颯介
商家の跡取り伊勢次は、二十歳を超えても怖がりなのにー祖父の左五平が幽霊として甦った!孫の怖がる顔が可愛いようで、まいど趣向をこらして怖がらせる。ある日、町の幽霊騒動を知った左五平が、伊勢次に正体を調べるよう言いつけ…貧乏御家人の七男・文七郎が剣で成敗したい幽霊とはー祖父・十右衛門だ!が、文七郎は十右衛門に稽古もどきで打ちのめされる。町の幽霊騒動を聞きつけた十右衛門も、孫に正体を調べるよう仕向け…死んでいるのに元気すぎ、おじいちゃん幽霊が孫を困らせる、江戸の楽しい怪異譚。
怪談を聞かせるか怖い話に出た場所を訪れると無代になる妖しい飯屋「古狸」に通う桧物職人修業中の虎太。盗賊の頭目「蝦蟇蛙の吉」たちに皆殺しにされ空き家となった店に忍び込み、行方知れずになった鶴七の謎を探るため虎太はその建物に泊まり込む。すると悪夢が!鶴七はどこに?「首縊りの木」と関わりが?
幽霊を見る、聞く、嗅ぐことができる忠次らは、忍び込んだ空き家で父子の幽霊に会う。そこには昔、借金を苦に夜逃げした一家三人が住んでいたというが、ならば母の幽霊は一体どこへ?そして不思議な少女に調子よくついていった仲間の留吉は、川に引きずり込まれてしまいー。少年たちの滑稽さが小気味いい人情怪談。
奉公先を追い出され、日傭取りの仕事で糊口をしのぐ虎太は、看板娘のお悌に惹かれ飯屋「古狸」へ。そこは怪談を聞かせると無代になるという不思議な店。怖い話は苦手なのに、お悌と無代飯に釣られて古狸に入り浸る虎太は、死神が棲むという家に行く羽目に。「不運な男」虎太はそこで何を見た?そして古狸の謎とは?
夏の盛りの溝猫長屋。祠にお参りするようになって幽霊を「見る」「聞く」「嗅ぐ」ようになった忠次たち。おてんばなお紺とは違って、丸亀屋のお千加は本物の箱入り娘。だが縁談話のあった相手の男が次々に死ぬという噂が立つ。丸亀屋の元の店に忍び込み、かくれんぼを始めた忠次たち。そこで「見た」ものとは…!?
溝猫長屋の奥にある小さな祠に毎朝お参りする子供たちは、なぜか幽霊を「見る」「聞く」「嗅ぐ」ことができるようになるという。そうとは知らない忠次たちは、かつて子供が泥棒に殺された空き家に入り込むのだが…。祠が導く、どっきり×ほっこりの輪渡颯介人情怪談。読むとくせになる文庫新シリーズ開始!
修業のため溝猫長屋を出た子供たちだが、忠次は「屋根に女性がいる夢」を見て、新七は「白粉の匂い」を嗅ぎ、留吉は「不思議な声」を聞くように。一方、自称・箱入り娘のお紺に二人の若者との縁談が。一人は愛想良しだが、強面のもう一人は曰くありげで…。忠次らに起こる奇怪な出来事との関係は?そして縁談の行方は?
幽霊が見える太一郎。幽霊を信じない連助。騙されてばかりの庄三郎。非力な放蕩息子円九郎…曰く品だらけの皆塵堂ゆかりの連中は変わり者ばかり。そして親の借金を抱えた若い娘おきみが、子猫の予知夢を見せる根付を持ってきた。主・伊平次の策は、おきみを救えるか!?怪談と猫で大人気の「皆塵堂」、大団円!
剣術道場の門人だった旗本の次男・市之丞が、屋敷に出る物の怪退治を蓮十郎に依頼した。溝猫長屋で暮らす「幽霊が分かる」忠次ら子供たちも屋敷に同行するのだが、幽霊の気配を感じた忠次たちは、江戸を離れないと数日で命を落としてしまうことに。江ノ島見物に出かけたお紺らを追って、忠次らも急遽旅に出るが、宿でもお化けに遭遇してしまい…。
がらくたと曰く品が並ぶ皆塵堂の新たな居候は、紙問屋の大店の倅、円九郎。お目付役の清左衛門を嘆かせる放蕩ぶり。仕事はさっぱりで、悪友たちとつるんでは悪さばかり。その円九郎、皆塵堂では、黒い影や生首を見たりと、恐怖におののく日々。主の伊平次は、ここぞとばかり“荒療治”に踏み切るのだが!?
溝猫長屋で亡くなったお多恵が祀られた祠をお参りして以来、忠次ら四人は幽霊を「嗅いで」「聞いて」「見て」分かるように。銭の入った巾着袋を失くした銀太は、幽霊を見たせいにしようと空き家に忍び込むが、そこに本物の幽霊が…。またある日、留吉が路地を歩いていると、愛らしい女の子に手招きされた。その子の正体は?それらの出来事は、銀太に「芸がない」と言われた、お多恵と関わりが?銀太の心ない言葉が、お多恵の怒りを招く?
浅草の裏長屋に仕事場を構えた指物師の弦次。ところが長屋は空き部屋ばかり。住人たちが次々と引っ越したのは、木戸口から数えて4つ目の閉じられた部屋と関わりがあるらしい。入居日の夜、弦次はその部屋でこの世の者とは思えない女を見てしまう。怖がりだが根が真面目な弦次は、不真面目な先輩住人の三五郎、幽霊画を描くのにどうしても本物を見たい町絵師の朔天とともに、原因究明という名のおばけ退治に乗り出すが…!?
怪しげな曰く品を扱う皆塵堂で、連助という男が働き始めた。だがこの連助、幽霊や呪いや祟りの類を絶対に信じようとしない。幽霊が見える太一郎などは天敵だ。連助の婿入りが決まっている紅白粉問屋六連屋では、なぜか跡継ぎの婿が次々と早死にしていた。主の伊平次らは、祟りの正体をつきとめられるか!?
十二歳の忠次たち四人は、長屋の祠をお参りしてから「幽霊が分かる」ように。空き家となったお店で、彼らがかくれんぼをしていると幽霊が「おとじろう」と告げる。するとその店の娘と縁談のあった乙次郎が行方不明に。幽霊の正体は?告げた名にどんな意味が?
忠次たちが住む溝猫長屋には、三月十日の時点で最年長の男の子たちが、長屋の奥にある祠を毎朝お参りする決まりがある。その祠を拝むようになってから子供たちは「幽霊が分かる」ように。祠にはどんな謂れが?なぜ「分かる」ように?そして忠次と同い年の銀太、新七、留吉らに苦難の日々が始まったー
父親が亡くなり天涯孤独の身となったおきみは、後ろ足の先だけ白い黒猫が出る夢を見るようになる。すると夢と同じ出来事が実際に起こるのだ。残された借金返済のため根付を売りに皆塵堂へ行ったおきみだったが、たいした金額にはならず、女郎屋に売られることに。皆塵堂・主人の伊平次は一計を案じるのだが…。そしておきみが夢で見た黒い子猫は何者なのか?面白さ抜群の「人情怪談騒動記」ついに完結!!
首吊り、変死、夜逃げのあった家からでも平気で曰く品を仕入れる皆塵堂に、このところ怪異騒動のたびに増えているのが、雉虎、黒猫…現場に残された子猫たち。幽霊は見えるが猫が苦手な太一郎は凍りつくが、魚屋のくせに大の猫好きの巳之助は、厳つい顔がにんまり。長屋で猫と暮らす野望の実現、なるか!?
円九郎、菊三郎、金吾は、立派な店の倅たちだが、遊び歩いてばかりの放蕩息子。親から金を渡されなくなった三人は、賽銭泥棒をしてしまう。しかし人の形をした黒い影に襲われそうになった円九郎が叫び声をあげ、悪事が露見。円九郎は家を追い出され、皆塵堂に預けられたが、何をやっても失敗ばかり。そこで店主の伊平次は、「荒療治」に踏み切ることに…