著者 : 遠藤宏昭
新世紀最初の日食。世界中の人々が黒い太陽から放たれるフレアに見とれていたそのとき、巨大地震が太平洋全域を襲う。中部太平洋で沈没船探査をしていたジャックのもとには米海軍からの救援要請が届いた。米大統領を乗せたエアフォース・ワンが太平洋上空で姿を消したのだ。軍に遺恨のあるジャックは渋りながらも捜索に乗り出す。一方そのころ人類学者のカレンは与那国島沖に沈むという“ドラゴン”と呼ばれる遺跡へ向かっていた。そこで彼女が目にしたのは地震で隆起した古代都市だった!
サルベージ船“ディープ・ファゾム”を駆ってエアフォース・ワンの捜索に乗り出したジャックだったが、海中では正体不明の物体と“力”が彼を待ち受けていた。これはいったい?大地震や大統領専用機の失踪に関連があるのか?一方カレンは沖縄の遺跡で、別のさらに大きな存在があることを示唆する証拠を手に入れる。そして太平洋上では、アメリカと中国がいまにも核戦争の惨劇へと突き進もうと策動していた…。業師ロリンズの筆が最高速度で爆走するアクション・アドベンチャー巨編!
一人息子と2人で暮らす考古学者アシュリーのもとに、ブレイクリーなる科学者が訪ねてくる。政府中枢が主導する極秘調査にリーダーとして参加してほしいという。目的を知らされぬまま、報酬に魅力を感じたアシュリーは参加を決意。同じくチームに招集された洞窟探検の専門家ベンジャミンらと調査地である南極へ向かう。途中、アシュリーらは驚くべき事実を知らされる。南極のエレバス山の地下に巨大な洞窟網が走り、その中で人類史を大きく揺るがす遺物が発見されたというのだ。それは…。
調査チームは南極の地下深くにあるアルファ基地を発ち、その最深部へと探索に出る。厄介な地形、未知の生物との遭遇、チームの不和…種々の困難と闘いながら探検は続く。一方その頃、アルファ基地は何者かの襲撃を受ける。基地にはアシュリーの一人息子ジェイソンが残っていた…。やがて、調査の背後に蠢く陰謀が姿を見せ、地下洞窟の真相が浮かび上がる。そしてアシュリーたちが出会ったものとは?大胆奇抜なイマジネーションと豊かな科学知識が綾なすロリンズ劇場、その高らかな開幕!
ネイサンらのチームはジャングルの不可解なふるまいに多大な犠牲を払いつつも、ランド調査隊の足取りを掴みつつあった。しかしその背後には、ランドの科学的発見を奪取するよう依頼を受けた傭兵集団が迫る。一方アメリカでは、返送されたクラークの遺体が原因と思しき謎の感染症が伝播し、パンデミックの様相を呈していた。やがてネイサンらは、ランドらを襲った悲劇、そして現在の災厄すべての原因となったアマゾンの驚くべき秘密に行き当たるー。科学的知性が躍動し、奇想が舞う、興奮の密林アドベンチャー!
考古学者ジャック率いるチームが、イスタンブール(コンスタンティノープル)沖で中世に造られた鎖を発見する。その頃、ジャックの旧友マリアがヘレフォード大聖堂で秘匿されていた中世の文書を見つけ出していた。この2つの発見がある推測を促す。「ヴァイキングがコンスタンティノープルからメノラー(燭台)を奪ったのではないか?」-メノラーはユダヤ戦争時にローマ軍が奪ったユダヤの至宝であり、現イスラエルのシンボルだ。そして、ナチスが探し求めた秘宝でもあった。歴史の闇に光を当てる冒険が始まる!
1914年春、パリで警察署へ放火した容疑で手配されている無政府主義者の青年が、ロンドンで拘束された。身柄引き渡しの裁判が始まるが、青年は弁護士を通してある告発をする。自分をフランスへ引き渡すなら、英国王室の驚くべきスキャンダルを暴露するというのだ。いち早く情報をつかんだランクリン大尉は、ただちにその青年、グローヴァーの弁護士に接触する。やがて入手した「スキャンダル」の中身は-彼は、自分が現英国国王の息子であり、王位の継承者であると言うのだ。若き日の母親が、ポーツマスで海軍勤務だった頃の皇太子と情を通じた証しが自分である、と。しかも、当の母親は息子の言葉を裏付ける手紙を残して、突如失踪していた。ランクリンたちの調査でも、それを否定するような事実は発見されない。では、告発は真実なのか?だとしたら、いったいどんな影響が?国王のフランス公式訪問を間近にひかえ、スキャンダルの可能性に震撼した王宮は、情報局に圧力をかける。何としても真相を探り出し、もしもそれが真実ならば、闇に葬りたい。ランクリンと相棒のオギルロイは、いつもと勝手の違う仕事に戸惑いつつも調査にあたる。だが、グローヴァーとその母親の背後には、フランス無政府主義者たちの影が見え隠れしはじめた…。激動の時代に、誇りのために、そしてまた時には誇りを捨てても、熱く闘う人々の姿を描く、巨匠の渾身作。『スパイの誇り』『誇りへの決別』『誇り高き男たち』に続く冒険スパイ小説シリーズ最新刊。
1914年、ヨーロッパの緊張は中近東の地へも飛び火していた。斜陽のオスマントルコ帝国と手を結んだドイツは、自国と中近東を結ぶ大動脈、バグダッド鉄道の建設に邁進していた。だがそれは、英国がようやく手にした中近東の橋頭堡、クウェートへの脅威となる。いまや中近東の覇権は、新時代の軍事・産業・経済の必需品-石油の独占を意味していた。バグダッド鉄道建設にあたっていたドイツ人の鉄道技師が、現地の山賊に誘拐された。工事はストップし、事件解決のために政府と鉄道会社は身代金を支払うことにする。これは、密かに建設の妨害を目論む英国にとっては絶好のチャンスだった。だが表立った活動は、全ヨーロッパを巻き込んだ戦争の勃発に繋がりかねない。外務省の要請を受けた情報局は、ランクリン大尉に密命を発した。身分を偽って潜入し、身代金の支払い、そして事件の解決を阻止すべし-相棒のオギルロイを伴い、偽外交官となったランクリンは、交渉の仲介役をつとめる謎の子爵夫人とともにオリエント急行の旅に出る。だが風雲急を告げる中近東の砂漠には、予想以上の罠が待ち構えていたのだ…。激動の時代に、誇りをもって生きる人々の熱き闘い。巨匠ギャビン・ライアルが、『スパイの誇り』『誇りへの決別』に続き、草創期の情報戦を鮮やかに描き出す、冒険スパイ小説シリーズ最新刊。