著者 : 遠藤武文
雪中から西洋柩に入った刺殺体が発見された。長野県警の城取警部補らはライターの布山を逮捕した。彼は親族優先提供制度を不正利用した心臓移植の疑惑を追っている。だが、意図的に脳死となり、ドナーになるなど可能なのか?殺人との関係は?調べを進める城取らは昭和最後の日に殺人を犯した男の存在に行き当たる。乱歩賞作家が描く、慟哭の社会派ミステリー!
伝えるべきプロポーズの言葉は、悲鳴にかき消された。フラッシュモブの最中、ひとりの女性が刺し殺されたのだ。直後、犯人と思しき男は自殺。しかし、その一年後に男の冤罪を主張したのは、傲岸不遜な警視正・安孫子弘だった。丹念かつ大胆な捜査の果てに、真犯人は存在するのか!?破天荒な名探偵が、五つの不可能犯罪に挑む連作ミステリー第二弾!
重傷を負いつつも病院から失踪した被害者、高速道路を横断し轢かれた主婦の黒い噂、事故の記憶がない轢き逃げ犯…。警察捜査で見逃された7件の自動車事故の真相を損害保険査定員・滋野隆幸が“原調(原因調査)”で暴く!元損害保険会社勤務だった著者だから書けたリアルな“交通事故ミステリー”。
長野オリンピックから18年。今こそ語ろう。あの開会式で何があったのか。ライフル射撃のオリンピック特別訓練員としてモスクワ五輪をめざしていた長野県警所属の神稲貴之。テルアビブ空港乱射事件の被疑者として逮捕され、釈放後、地元の自動車整備工場に勤め、逼塞した生活を送っている荻窪克巳。ふたりの運命は、戦後の混乱期の謎をめぐって、奇妙に交錯し始めるー。平和の象徴オリンピックが始まる日、昭和の闇のひとつが、清算されようとしていた。
長野県警・城取警部補は、不正献金の疑いのある地元選出の与党代議士・柳平の身辺を調査するよう命じられた。彼の議員秘書2名が相次いで、和歌山沖、石垣島沖でのスクーバダイビング中に死亡していたのだ。迷宮入りする献金問題、秘書に届き続けていた怪文書。当初は事故と思われたが、捜査の進展とともに2つの死を結びつけるある女性の存在が明らかになり…。気鋭の乱歩賞作家が描く、たくらみに満ちた社会派ミステリ!
職場では怪しい研究に没頭し、相手が誰であろうと命令口調。行動すべてが予測不能、態度は決まって傲岸不遜。しかし、不可解な事件の捜査に当たれば、その頭脳明晰ぶりで瞬く間に真相を解き明かす。彼は安孫子弘警視正。所属は警察庁情報分析支援第二室、通称“裏店”。江戸川乱歩賞作家が生み出した、唖然とするほどに強烈な名探偵が活躍する衝撃の連作ミステリー!
重傷を負いつつも病院から失綜した被害者、高速道路を横断し轢かれた主婦の黒い噂、事故の記憶がない轢き逃げ犯…警察捜査で見逃された7件の自動車事故の真相を損害保険査定員・滋野隆幸が“現調(現場調査)”で暴く!
宅配便で届いたのは、誘拐された息子の指だった。母親は身代金の受け渡しに奔走するが、卑猥な写真を盗撮された女性教師、両親を監禁されたサラリーマン、小悪党の刑事らを巻き込み、事件は錯綜を極めていく。誘拐犯に踊らされる者たちの暴走は止まらないー。子供の命は、そして、全てを裏で操るコンダクターとは何者なのか。疾走感あふれる展開で衝撃の結末まで駆け抜ける、社会派サスペンス。
江戸川乱歩賞受賞作家7名が放つ最強の競作アンソロジーが、乱歩賞60周年の2014年、文庫化! 七人のミステリ作家に届いた挑戦状。「テーマはデッド・オア・アライヴ、生死の危機。2013年9月7日正午、主要人物が帝国ホテルにいる短編ミステリーを執筆せよ」その場所は天国か地獄か、その選択は生か死か。彼らの出した珠玉の“答え”がここにある。 江戸川乱歩賞受賞作家7名が放つ最強の競作アンソロジーが、 乱歩賞60周年の2014年、文庫化! 七人の作家に届いた挑戦状。 「テーマはデッド・オア・アライヴ、生死の危機。 2013年9月7日正午、主要人物が帝国ホテルにいる短編ミステリーを執筆せよ」 その場所は天国か地獄か、その選択は生か死か。彼らの出した珠玉の「答え」がここにある。 薬丸岳「不惑」 とある事件が原因で13年間眠り続ける恋人をもつ窪田。彼は今日行われる結婚式で復讐を企てるが、同級生の夏目が違和感に気付く。夏目シリーズ最新作。 竹吉優輔「イーストウッドに助けはこない」 違法スレスレの街金で働くコージは、ヤクザの女に手を出した「そのスジ」の叔父を拉致してリンチする羽目になるが、ダメ叔父とコージには大切な思い出があった。 高野史緒「悪魔的暗示」 1918年、帝国ホテルで天才少年は米国スパイの会話を耳にする。各国スパイが血眼になって追う、滅亡したロシア・ロマノフ王朝の“秘宝”の行方は。 横関大「クイズ&ドリーム」 とある目的でホテルに泊まっている川尻の客室を突然訪れた、銀色の仮面をつけた男。彼は「負けたほうが謎のカプセルを飲む」ルールのクイズゲームを強要する。 遠藤武文「平和への祈り」 ケセランパサランを追いかけた先の公園で、ミステリー作家・“遠藤武文”はミカエルを名乗る天使に出会う。自分の肩に世界の滅亡がかかっているとしった作家は……。 翔田寛「墓石の呼ぶ声」 雨宮勇吉は、9月頭の7日間を必ずホテルで過ごす常連客だ。ホテルマンが聞いた彼の過去と、墓石に刻まれた秘密とは。 鏑木蓮「水の泡〜死を受けいれるまで〜」 ナノバブルと呼ばれる微細な気泡を作る技術で会社を興した凜子。会社は大きくなったが、婿養子の夫には愛想が尽きた。一人酒を楽しむ夜、急に体中をしびれが襲い……。 薬丸 岳「不惑」 竹吉優輔「イーストウッドに助けはこない」 高野史緒「悪魔的暗示(Наваждение)」 横関 大「クイズ&ドリーム」 遠藤武文「平和への祈り」 翔田 寛「墓石の呼ぶ声」 鏑木 蓮「水の泡〜死を受けいれるまで〜」
超高齢化社会の日本で、老人介護のために開発された「パワードスーツ」。手足に装着するだけで途轍もない力を発揮する新型機器だが、その陰で次々と老人が失踪。さらに殺人事件も発生し、現場にはなぜかパワードスーツの付属品が残されていた!超絶の発想と展開で読み手を見事に騙す、乱歩賞作家の快作!
長野県庁での定例議会中、突然照明が消え、銃声が響き、議員が殺害された。誰かが逃げた形跡はなく、凶器の銃も見つからない。遺体のポケットには「善光寺の本尊を公開せよ」という謎のメッセージが残されていた。善光寺の本尊は絶対秘仏であり、千数百年の間、誰の目にも触れたことがないという。県警の城取刑事の執念の捜査である人物が容疑者として浮上するが…。緻密な伏線と巧みなトリックで心をゆさぶる社会派ミステリ!
農園を経営する砂田家の長男・謙太が誘拐された。長野県警の城取警部補は、知事の特命で捜査に派遣された信州大学の四月朔日教授とともに現場へ。離婚して家を出た謙太の母親が「リュウにならなきゃいけない」と呟いていたとの証言を得る。それを聞いた四月朔日は、信州に伝わる泉小太郎伝説の龍のことだと断言するが…(表題作「龍の行方」より)。古くから伝わる五つの民話が事件の鍵を握るー?
同日同時刻、五百km離れた東京と奈良で起きた二つの「殺人」。容疑者として浮上したのは同一人物だった。謎を追う刑事たちの前に、今度は閉鎖病棟での密室殺人が発生。三つの事件がつながり、驚愕の真実が明らかになる!江戸川乱歩賞受賞作『プリズン・トリック』を超えた、著者渾身の長篇ミステリー第2作。