著者 : 遠野りりこ
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天才画家と言われた父が旅先で客死した時、ひとり息子の茜は十二歳だった。たったひとりの身寄りとも言える父の後妻・爽子は、そのとき二十歳。遺された家族として亡き人の思い出を分け合いながら、ふたりは寄る辺のなさを埋めるように暮らしてきた。そして七年。十九歳になった茜の前に、爽子に求婚する男が現れた。頑なに守り続けてきた「母と息子」の関係、茜はその不自然さに、否応なく向き合うことになるー。『マンゴスチンの恋人』の著者が、繊細な筆致で少年期との決別を切なく描く、ビタースウィートな物語。
マンゴスチンの恋人マンゴスチンの恋人
幼い頃のトラウマから男子とつきあえず、年上の人妻に惹かれる女子高生。存在感の薄いチビオタ地味男の身体の悩みを知り、心を寄せていく美少女。援交トラブルを救ってくれた男子クラスメイトの秘密を知ってしまった少女。恋の痛手に苦しみながら、レズビアンであることをカムアウトすべきか悩む生物教師。「好きな人と一緒にいられることより、好きな人に好きって言えるのが幸せ」-神様に祝福されない恋をし、心は揺れ、痛み、傷つきながらも、人を好きにならずにいられないセクシャルマイノリティのそれぞれの思いを描いた、すべての人に刺さる四つの物語。
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