著者 : 那波かおり
南米大陸での任務を果たし、帰国の途につこうとしたテメレアとドラゴン戦隊の仲間たちだったが、ミエンニン皇太子の側近であった料理人ゴン・スーの招きを受け、一路中国を目指すこととなった。しかしその途上、ポテンテート号は激しい嵐に呑まれ、座礁してしまう。その頃、極東の島国の浜辺に、ひとりの西洋人男性が漂着した。しかも彼は、頭部に深い傷を負い、長きにわたる記憶を失っていた。“-「ウィリアム・ローレンス」と、男は口にした。そう、これが自分の名前。”各国のドラゴンたちとともに、記憶の深い淵をたどりながら、日本から中国、そしてロシアへと至る果てしない旅のゆくえはー。
過酷な戦いと長旅の末、軍務から離れる決意を固めたローレンスは、オーストラリア内陸の地“緑の谷間”でテメレアとともに隠遁生活を送っていた。ところが、安息の日々を打ち破るように、意外な英国の使者がやってくる。南米大陸に勢力を拡大するナポレオン軍に対抗するため、英国政府がローレンスに軍務復帰を求めていた。胸に秘めた愛国心とテメレアの闘志を支えに、ローレンスたちはふたたび大海原へ、そして未だ見ぬインカ帝国へーー!
東欧のとある谷間の村には、奇妙な風習があった。100年以上生きていると言われる魔法使い<ドラゴン>によって、10年に一度、17歳になる娘が一人選ばれる。その娘は、谷はずれの塔に連れていかれ、ドラゴンとともに暮らさなければならない。10年経って塔から出てきた娘は、まるで別人のようになり、村に戻ってくることはないという。 アグニシュカは17歳。そして今年はドラゴンがやってくる年。平凡でなんの取り柄もない自分が選ばれることはない、と思っていた。しかし、ドラゴンに指名されたのは、アグニシェカだった。 全米の識者が選ぶSFファンタジーの最高傑作、ネビュラ賞受賞。ノヴィクの話題作。
<ドラゴン>とアグニシュカたちは、計り知れない犠牲を払い、長いあいだ〈森〉に囚われていた王妃を奪還した。だが、王妃はまるで人形のように何も反応しない。 〈森〉の侵入を食い止めるため奮闘するドラゴンを残し、アグニシュカは援軍を請いに、国王の住まう都に向かう。しかし、待ち受けていたのは、彼女の「能力」を認めようとしない魔法使いたちと、〈森〉の恐るべき罠だった。 罠に翻弄されながらも、ドラゴンの塔を目指すアグニシュカだったが......。暴かれる真相と、ドラゴンとアグニシュカのロマンス。そして、怒濤のラストへ。
1940年、アメリカ。小さな町のお嬢様ヴィヴィアンは、大学を辞め、NYのショーの世界に飛び込んだ。華やかで刺激的な毎日。だが、それは突然終わる。彼女の過ちが、街中を騒がす醜聞になったのだ。恋人も友達も居場所も失い、彼女は初めて自分と向き合う
イリーナは成り上がり公爵の令嬢。器量よしではないが、稀少なスターリク銀の装身具を身につけると、不思議な美しさを放つ。美しい皇帝のもとに嫁いだが、その皇帝には魔物が取り憑いていた。 スターリクの王国にとらわれたミリエムと、恐ろしい魔物と対峙しなければならないイリーナ。 苦境に立つ娘たちは、手を結び、知恵を絞り、難局を乗り越えようとする。そして、冬を終わらせるための火と氷の戦いがはじまる。 それぞれの娘たちの物語が、まるで糸を紡ぐように、大きな一つの物語に絡み合っていく、壮大なファンタジー。
セリーナに従姉は、娘は夫の子ではないと告白して死んだ。従姉の別居中の夫は、怜悧な美貌の実業家カルロ・ヴァレッティ。カルロの悪い噂ばかりを吹き込まれていたセリーナは信用できず、迎えに来た彼に娘を返さないと宣言するのだった。だが言葉巧みに誘惑され、抗いがたい魅力に引き込まれ…。セリーナはやがて、カルロに抱かれてしまう。甘い感傷とともに。しかし、目覚めた翌朝、カルロは冷然と言い放ったのだ。「僕の娘はどこにいる?」とー自分を誘惑した理由を知って、セリーナは瞬時に青ざめた。大富豪の甘い誘惑の裏にはある目的が…。娘を手に入れるための策略に翻弄されてー
テメレアは、いまや美しき成竜となった。英国がナポレオンの猛攻に苦しむなか、中国がテメレアの返還を求めてくる。事態を収拾するには、彼の地へ行くしかないー。長き航海のあいだ、数々の困難に耐え、盟友ローレンスとの別離の恐怖に怯えながらも、テメレアは故郷を目指す。そこに待ち受けているものは。
テメレアーそれは誉れ高きドラゴン。漆黒の翼はためかせ、この世に舞い降りた。清廉なる海軍将校ローレンスと深き絆を結びしその竜は、高貴なる血がため、苛烈な戦いへと赴く宿命にあった…全世界で話題沸騰、壮大なる歴史ファンタジー、ここに開幕!ローカス賞、ジョン・キャンベル新人賞受賞。