著者 : 郷かおる
麗しき後見人麗しき後見人
リングフィールド卿は障害物競走で命を失った。そのレース前、遺言状を残していた。娘の後見人として、レース主催者であるステヴィントン侯爵を指命したのだ。父の死を招いた人物が後見人とは…バレッタは現実を受け入れられず遺言の確認に、侯爵の屋敷へ赴く。「わたしはきみの後見人なのだ。」その言葉に茫然とするバレッタの前に煙突掃除の少年が転がり落ちてきた。続いて、親分による虐待場面が展開する。バレッタは耐えきれず、侯爵に少年の身を買いあげてくれるよう嘆願する。侯爵の庇護のもと奇妙な同居が始まった。
愛の神殿愛の神殿
女王陛下の侍女との恋…イルミンスター公爵にとっては戯れでも女王の激怒は予見される。公爵はロンドンから逃れでた。十年ぶりに訪れたクィーンズホーは愛する祖母との思い出に満ちていた。庭園には小さなギリシャ神殿があり白い柱にもたれる一人の少女と出会う。初対面にもかかわらず、彼女は公爵の夢を見ていた、と告げる。この屋敷にいた若き日の姿が不思議な波動で再現されている、と。途方もない話に、公爵は笑いとばした。だが、様々な事件が解決されるのを見て次第に引きこまれていく。
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