著者 : 里見蘭
駆け出し弁護士・川村志鶴のもとへ、当番弁護の要請が入った。荒川河川敷で起こった女子中学生連続死体遺棄事件ー遺体には証拠隠滅のため漂白剤がまかれ、冷酷な犯人像が推測された。容疑者とされた男には被害者の中学校に侵入し、逮捕された過去があったが、断じて犯行には関与していないと志鶴に訴える。奔走する志鶴に立ちはだかるのは、起訴有罪率99.9パーセントという現実だった。共同弁護を務める先輩すら有罪前提の弁護方針を説き始めるなか、依頼人を救い出すことはできるのかー?
かつて天才詐欺師としてその名を馳せた夏目は、突然目の前に現れた女子中学生・小春から、とある依頼を受ける。自分の娘だという小春からの頼みごととあって、久しぶりに動き始めた夏目だったが、次々と訳ありな依頼者たちが訪ねてきて…。ある時はYouTuberと大人気ゲーム機の不正抽選の謎に迫り、またある時は闇カジノで結婚詐欺師を懲らしめる。己のポリシーに忠実な天才詐欺師が大活躍!笑って泣ける、父と娘の連作短編ミステリー。
芸術家の卵が集う帝都芸術大学剣道部。部長の壮介は、道場に現れた金髪の天才画家・唯の指導をすることになる。有名ギャラリーとの契約を賭け、「半年で初段を取りたい!」と語る唯。彼女の笑顔の裏には、悲しい過去が秘められていたー。アート系剣士たちの恋と友情、そして夢が交錯する。芸術×武士道青春小説!『藍のエチュード』を改題。
雨宮黎の前に、死んだはずの父親が現れた。家族を守るため罪を背負い、刑に服していたという父の存在に戸惑いを隠せない。そんななか、探偵社には女子高生の捜索依頼が舞い込む。ある資産家の愛娘で、アイドル志望の少女が消息を絶ったのだ。そして身代金を輸送中、黎までも拉致されてしまう。事件に浮上する、闇社会を牛耳る男とはー黎の奪還に命を賭す大神チーム、絶体絶命か!
アパレルショップをリストラされた沙智は心機一転、ファッション誌の編集者を目指して出版社へ。しかし、配属されたのは販売促進部ー通称“ハンソク”。しかも無名作家の小説を「ミリオンセラーにせよ」との特命まで課せられた。編集、書店をはじめ業界全体を巻き込んだ新人営業女子の活躍が始まる!
「兄を探してください」と、一人の少女が訪れた。行方不明や素行調査の類は引き受けない探偵社だが、その青年の周辺で、エネルギー開発に携わる人物が相次いで失踪したことが判明。国家を巻き込む事件と予測した大神チームは、調査に乗り出す。そんななか、鏡市の最愛の弟・辰爾に危険が迫っていた。特異能力を誇る4人の探偵を絶体絶命に陥れる闇組織、その驚愕の正体と目的とは!?
美術館から時価20億円の絵画が盗まれた。学芸員に容疑が掛かるなか、その妹と親しい大学生・城戸友彦は力になりたいと、神楽坂の路地裏に佇む探偵事務所を訪れた。慇懃無礼な青年所長が提示した依頼料はなんと3000万円。払えるはずもない額の代償に、その日から仲間になる友彦。狼の如く悪党を追いつめる彼らと共に闇の組織に潜入するのだがー男4人が挑む超弩級ミッション開幕!
見知らぬ赤ん坊を連れてきた父親が、まさかの突然死。母亡き後ひきこもり歴4年の雅祥が、いきなり育児を任されることに。この時から地獄の二人暮らしが始まった。ミルクを飲ませても、おむつを替えてもタカヤは泣き止まない。母親はいったい誰…迎えが来る日まで、あと1日。だが、まあくんとタカヤと母親の人生は驚愕の真実へと急転直下する!胸に染みる、痛快青春ミステリー。