著者 : 里見蘭
法治国家の欺瞞を暴くリーガルサスペンス! 駆け出し弁護士・川村志鶴のもとへ、突如、当番弁護の要請が入った。荒川河川敷で起こった女子中学生連続死体遺棄事件ーー遺体には証拠隠滅のため漂白剤がまかれ、冷酷な犯人像が推測された。容疑者には被害者の中学校に侵入し、逮捕された過去があったが、断じて犯行には関与していないと志鶴に訴える。警察による自白強要が疑われた。 志鶴が刑事司法を志した背景には、高校時代の友人のバイク事故死がある。自動車運転過失致死と処理されたが、彼女は冤罪を疑っている。そんな過去を持つ志鶴は、依頼人の潔白を晴らすため奔走する。 そこに立ちはだかるのは起訴有罪率が99・9%という現実だった。逮捕イコール犯人という世間の目。「人質司法」とも称される長時間勾留で有利に捜査を進めようとする警察・検察。共同弁護を務める先輩すら有罪前提の弁護方針を説き始めるなか、孤立無援の志鶴は依頼人を救い出すことはできるのかーー? 構想・取材期間8年に及ぶ超弩級リーガルサスペンス。 【編集担当からのおすすめ情報】 国家が犯す最大の犯罪である冤罪ーーその絶望と向き合う個人の闘いを、圧倒的リアリティをもって描き切った本作品に、各界から称賛の声が寄せられています。 この国の刑事司法に「正義」はあるのか。それを知りたくて、一気に読みましたーー村木厚子(元厚生労働事務次官) 自由と民主主義と法の支配を標榜する「近代国家」日本には「人質司法」という名の迷宮が潜んでいる。ときに市井の民が予期せずにこの迷宮に囚われる。われわれ刑事弁護人は、迷宮に落ち込み、出口を求めて奔走する人々の伴走者である。里見蘭はこの伴走者の苦悩と矜持をリアルに描くことに成功した稀有な小説家であるーー高野隆(弁護士) ** 本書は、アクセシビリティに配慮した本です。視覚障害・肢体不自由などの理由で必要とされる方に、本書のテキストデータを提供いたします。 本書巻末よりお申し込みください。 ** 序章 予震 第一章 自白 第二章 窒息 第三章 物証 断章 増山 第四章 狼煙 第五章 目撃 断章 鴇田 第六章 焦点 第七章 追跡 第八章 審理 第九章 終結 終章 余震
かつて天才詐欺師としてその名を馳せた夏目は、突然目の前に現れた女子中学生・小春から、とある依頼を受ける。自分の娘だという小春からの頼みごととあって、久しぶりに動き始めた夏目だったが、次々と訳ありな依頼者たちが訪ねてきて…。ある時はYouTuberと大人気ゲーム機の不正抽選の謎に迫り、またある時は闇カジノで結婚詐欺師を懲らしめる。己のポリシーに忠実な天才詐欺師が大活躍!笑って泣ける、父と娘の連作短編ミステリー。
芸術家の卵が集う帝都芸術大学剣道部。部長の壮介は、道場に現れた金髪の天才画家・唯の指導をすることになる。有名ギャラリーとの契約を賭け、「半年で初段を取りたい!」と語る唯。彼女の笑顔の裏には、悲しい過去が秘められていたー。アート系剣士たちの恋と友情、そして夢が交錯する。芸術×武士道青春小説!『藍のエチュード』を改題。
雨宮黎の前に、死んだはずの父親が現れた。家族を守るため罪を背負い、刑に服していたという父の存在に戸惑いを隠せない。そんななか、探偵社には女子高生の捜索依頼が舞い込む。ある資産家の愛娘で、アイドル志望の少女が消息を絶ったのだ。そして身代金を輸送中、黎までも拉致されてしまう。事件に浮上する、闇社会を牛耳る男とはー黎の奪還に命を賭す大神チーム、絶体絶命か!
アパレルショップをリストラされた沙智は心機一転、ファッション誌の編集者を目指して出版社へ。しかし、配属されたのは販売促進部ー通称“ハンソク”。しかも無名作家の小説を「ミリオンセラーにせよ」との特命まで課せられた。編集、書店をはじめ業界全体を巻き込んだ新人営業女子の活躍が始まる!
「兄を探してください」と、一人の少女が訪れた。行方不明や素行調査の類は引き受けない探偵社だが、その青年の周辺で、エネルギー開発に携わる人物が相次いで失踪したことが判明。国家を巻き込む事件と予測した大神チームは、調査に乗り出す。そんななか、鏡市の最愛の弟・辰爾に危険が迫っていた。特異能力を誇る4人の探偵を絶体絶命に陥れる闇組織、その驚愕の正体と目的とは!?
美術館から時価20億円の絵画が盗まれた。学芸員に容疑が掛かるなか、その妹と親しい大学生・城戸友彦は力になりたいと、神楽坂の路地裏に佇む探偵事務所を訪れた。慇懃無礼な青年所長が提示した依頼料はなんと3000万円。払えるはずもない額の代償に、その日から仲間になる友彦。狼の如く悪党を追いつめる彼らと共に闇の組織に潜入するのだがー男4人が挑む超弩級ミッション開幕!
見知らぬ赤ん坊を連れてきた父親が、まさかの突然死。母亡き後ひきこもり歴4年の雅祥が、いきなり育児を任されることに。この時から地獄の二人暮らしが始まった。ミルクを飲ませても、おむつを替えてもタカヤは泣き止まない。母親はいったい誰…迎えが来る日まで、あと1日。だが、まあくんとタカヤと母親の人生は驚愕の真実へと急転直下する!胸に染みる、痛快青春ミステリー。