著者 : 野口武彦
開化奇譚集 明治伏魔殿開化奇譚集 明治伏魔殿
文明とは、ある可能性の紛砕であり、開化とは、挫折した夢と怨みの上に咲いた花である。新時代の到来に必然はない。ありえたかもしれない未来と希望のもつれを解きほぐす、5つのネオフィクションの試みが見せる光景とは?
元禄五芒星元禄五芒星
ひとつの時代が終わる。それだけがたしかな時に…。美しく死ねた者、なまじ生き残ってしまった者、己が才覚の扱いに悶える者…。人生のさまざまな姿が異常なまでにクッキリと浮かび上がった魔術的な時空間を描く五篇。
幕末不戦派軍記幕末不戦派軍記
慶応元年、第二次長州征討のため大坂に進発した徳川十四代将軍家茂のお供を任じられた仲良し御家人四人組、弥次郎・喜多八・筒なし・関兵衛は、開戦の遅れをよいことに一年以上も大坂で美食、遊郭通い、観光と遊び呆ける始末(『在京在阪中日記』)。その後、長州、鳥羽伏見、上野、日光、会津、箱館へと続く維新の戦乱に厭々従軍させられ、死の恐怖に怯えつつも持ち前のノーテンキさで行軍してゆくー。幕府滅亡を象徴する“戦意なき”幕臣たちの生態を史料と想像力で復元した傑作幕末小説。単行本『幕末不戦派軍記』所収の五編と『幕末伝説』所収の鳥羽伏見編を合本した決定版。
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