著者 : 野村正樹
九州の玄海灘を臨む観光の町で、人気写真家の愛人とエリート・サラリーマンの変死体が発見された。続いて長崎の観光の島で、この写真家と若く美しい教え子の変死体も。事件の裏には、純愛を貫く女性たちの極限状況と意外な行動が…。
全学共闘・学費値上げ反対闘争に浮き沈みした、男1人・女2人の青春の無惨さを歌い、現実と回想で時代を刻む。キーワードは「去年マリエンバートで」。書き下ろし長編小説。
マスコミ関係者が相次いで怪死を遂げた。一人は宣伝部の伊沢、もう一人はカメラマンの斉藤。いずれも派手な死化粧が施されていたことから犯人は同一と思われたが、二人を結ぶ接点は見つからない。やがて浮かびあがった共通のキーワードは“アリス”。80年代を駈け抜けた青春の光と影のハーモニーは、遂にトレンディ犯罪をも生み出していたのか…。
アモーレ化粧品会社に勤めるOL村上加奈子は同僚と共にゴールデンウィークにサンファンからカリブ海を一巡する豪華な船旅と島々の観光を楽しむ「カリブ海クルージング」に出かけた。ツアーのメンバーは加奈子たちと2組の夫婦、商社マン2名、添乗員の一行。客室400の豪華船「サンシャイン」号のクルージングが始まったが、加奈子は妙な胸騒ぎが…。南海の楽園に何かが起こる…。豪華なクルージングに忍びよる殺意。書き下し長編ミステリー。
岡山から倉敷へ向う新幹線「ひかり」の中で、女性の死体が発見された。死因は青酸中毒。被害者の右頬から胸にかけて古い火傷の跡が。所持していたセピアがかったモノクロ写真の意味するものはー。たまたま同乗していたOL・加奈子は、事件に興味を抱くが、その推理を嘲笑うように加奈子の周辺で第二の殺人事件が。昭和四十年代の青春の光と影を背景に展開する長編ミステリー。
2つの事件が4日おいて発生している。一人は宣伝部員、もう一人はカメラマン。どちらもマスコミ界の人間。発生場所は埼玉と新宿-どちらも不思議な死化粧がされていた。光の中に殺意が、闇に2つのトリックが。時代が生んだ殺人事件。書き下ろし長篇推理小説。
南十字星の島タヒチの海に、死体がひとつ、またひとつ。ツアー参加に端を発した数々のミステリーの奥にある残酷な人生の発端とはナニ?幼女期の無惨な体験を抱えた添乗員兼団長・高木久美子の運命とは?息のつまりそうな都会の生活に疲れ、且つ殺伐とした人殺し小説に飽きた読者にうってつけのサスペンスが誕生。名付けて“トロピカル・ミステリー”。推理界の気鋭の新星、期待の書下し長篇。