著者 : 阿久悠
無名時代無名時代
1959年4月、M大を卒業したばかりの芥洋介は、株式会社宣友へ入社する。彼を待っていたのは広告代理店草創期のアナーキーな日常と、苛烈な自意識をぶつけ合う同僚たちだった。皇太子ご成婚、東京オリンピック、そしてザ・ビートルズの来日。時代の奔流の中、今は何者でもないけれど何者かであるはずだ、と信じてもがき、走った青春の日々。日本の歌謡曲を牽引した作詞家・阿久悠による自伝的小説。
瀬戸内少年野球団瀬戸内少年野球団
敗戦直後の淡路島を舞台に、軍事教育から民主主義教育に一転する中、野球を通して民主主義を学ばせようとする女性教師と子供たちのふれあいを描いた阿久悠の代表作。野球との新鮮な出逢い、歌を自由に歌えるよろこび、少年たちの仲間への思いやりと友情、ほのかな初恋が少年たちの目を通して生き生きと描かれている。後に、映画化されて多くのファンを魅了した作品。
無冠の父無冠の父
「私の父の深沢武吉は、生涯巡査であった」。戦中から昭和三〇年頃までの淡路島。小さな駐在所に暮らす、ある一家の悲喜こもごも。-自身の父親と家族をモデルに阿久悠が遺した珠玉の物語は、父親とは何か、時代の激変のなかの家族のつながり、人間としての矜持、生きることの諦観と希望とは何かを問いかけてやまない。
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