著者 : 阿川せんり
あらゆる人間が一瞬にして黒い塊となった世界。ヒトのままの姿で取り残された者の共通点は●●●だった…。崩壊していく日常の中で残された者が選ぶ選択とは?新進気鋭の作家が挑む衝撃のディストピア小説!
「ひとりで行きなよ」「いやなの、ねぇ条介お願い、ついてきて」 高校生の僕は幼馴染のアンから、恋人と別れるところを見ていてほしいと頼まれる。 バイトを休んで渋々ながら彼女についていった僕が目にしたのはーー。(『ポケット』加藤シゲアキ) 朝起きてぼうっと生きていたらいつの間にか時間が過ぎ去っている。仕事から帰宅すると、毎日違う知らない友達が家にいる。 そんなある日、一人の友達だけが何度も家に来ることに気がついてーー。(『コンピレーション』住野よる) 誰に何を言われようと行きたくない場所もあれば、なんとなく気持ちがのらない朝だってある。 ふとしたきっかけでサボってしまうかもしれないし、人生を変えるような決意で回れ右をすることもあるかもしれない。 ひとはいつでも「行きたくない」気持ちを抱えている。 僕たちのそんな所在なさをそっと掬い上げる、刹那のきらめきを切り取った物語。
大学デビューにも無縁の自由気ままな日々を愛するあさくら。しかし、周囲のプレッシャーに負け、一度会っただけの男子と付き合うことに!?男女交際の指南をする同級生にダメ出しされまくり、あさくらはだんだんと自分を見失って行く。昔からの友人であるうえぴは、そんなあさくらを生温かく見守るのだがー。とびきり厄介なあさくらさんが、苦難(?)の末に自分をみつける物語。女子大生二人組が札幌の街を駆け巡る、ユーモラスなアンチ青春小説。
人生、マスクが必需品。自称「口裂け女」ことくにさきみさとは、札幌在住の22歳フリーター。他人とはマスクを隔てて最低限の関わりで生きてきたが、諸事情により、避けてきた人々と向き合う決意をした。自己陶酔先輩の相手をし、引きこもりの元親友宅を訪問し…やっかい事に巻き込まれ四苦八苦するみさとだが、周囲の評価は確実に変化していきー?衝撃の結末とある「勇気」に痺れる、反逆の青春小説!
特別な自分の演出のために変人ぶろうとする、偽りの変人。それが、“やっかいさん”。北大2年コドリは、ある理由から“真の変人”を追い求めている。だがそれゆえ、やっかいさんから好かれがち。ある日、心理学系コース4年・アリハラと「とんでもない出会い方」をする。アリハラはコドリとやっかいさんらの関係に興味津々…かきまわし、あらゆるイベントを起こしたがる。「アリハラこそ真の変人なのです」と希望を持ったコドリは、あえて振り回されるうち、封印していた自分の気持ちと向き合うようになるが、アリハラには別の目的があった…。あなたは「特別な人」ですか?「やっかいさん」ですか?読み終えたあとは自由になれる、今までにないこじらせ系青春小説!