著者 : 阿木冬子
淑女と伯爵淑女と伯爵
社交界にデビューしたての妹のナネッタはどうやら恋をしているらしい。相手は全目当てで女に近づくという評判の悪い男。妹を守るにはどうしたらいいのだろう?プルネラは思い悩んだ末、亡き父の知り合いだったウィンスロー伯爵を訪ね、力を貸してほしいと頼んだ。ところが彼は、長い田舎暮らしで、恋も知らずにきたプルネラをさんざんばかにし、ナネッタの肩をもとうとするのだ。
恋人は秘密諜報員恋人は秘密諜報員
リサは目の前の男の経歴を聞いて頭を振った。男の名はジョン、職業はスパイ。しかし、スパイから足を洗って明るい表の人生を歩みたいという。人材銀行のマネジャーとしては、いったいどこにスパイの就職を斡旋すればよいのだろう。それに映画じゃあるまいし、スパイだなんて…途方にくれるリサだったが、彼女の答えを待つこのコニャックの瞳の男に手をさしのべてやりたくなった。