著者 : 阿野冠
「長州五傑」のメンバーとして明治政府草創期の中枢を担った「工学の父」山尾庸三と「初代総理大臣」伊藤博文。ふたりには墓場まで持っていくと誓った秘密があったー。高杉晋作の指揮のもと、英国公使館を焼き討ちし、尊攘の機運高まる長州藩。一味に加わった山尾庸三は、書生部屋で同室の伊藤俊輔とともに、孝明天皇の退位を説く幕府の御用学者・塙次郎を暗殺する。だが断末魔の形相が夜ごとよみがえり、気鬱に陥る山尾。最高幹部の桂小五郎の後押しで、のちに「長州五傑」と呼ばれる五人のひとりとしてイギリスへ藩費留学することに。その中には相棒の伊藤もいた。山尾の任務は『工業立国』の基盤を学ぶこと。だが彼の裡には、己が殺めた塙次郎の遺志である障害者政策があったー。
オレが通う高校は、いわゆる「底辺校」だ。偏差値は下位だけど、女生徒のスカート丈の短さだけが最上位にランクしている。平凡なオレは、ひょんなことから番長へとまつりあげられ、国籍不明の友人2人が常に脇を固め、同級生に恐れられていた。ある日、初恋の純子が慶應大学を目指すという話を耳にし、甘いキャンパスライフを夢見て、オレの高校生活は一変!笑えて、最後に熱い涙がこみ上げてくる痛快青春小説。
野球推薦に落ちた荒川乱歩は、新設された谷根千高校探偵科に通うことになった。入学早々に出された課題は、二年前に地元で起きた『S字坂の殺人事件』の再調査。犯人はいまだ逃走している。曲者ぞろいのクラスのリーダーに指名されたその夜、客から引き取った古椅子の中から死体が出て、乱歩の父は容疑者になってしまったー。高校生探偵の推理が冴えわたる!
谷根千中学に通う桜つぼみは、谷中墓地で青髭の男に襲われていたところを、女子高生探偵・花丸リンネに助けられる。それをきっかけに二人は“地獄変”を思わせる、連続少女誘拐事件に挑むことになるのだが、古書カフェ店員のヤエや転校生のローズ、さらに芥川龍之介の幽霊?が絡み…。根津神社、団子坂、夕焼けだんだんなど、情緒溢れる町で起こる事件を少女たちは解決できるか!?