著者 : 雀野日名子
「男のための物語」をぶち壊して、「私たちの物語」を綴ろう。物語の神は言った、「男が中心に存在してこそ“正しい物語”である」と。そんな神の支配する『竹取物語』の世界に生きる内気な姫さよは、帝の后選びの場で勝気な姫ごうに出会う。自由を求め物語の神に反旗を翻した二人は、『源氏物語』『平家物語』『仮名手本忠臣蔵』『舞姫』『蟹工船』と、名作の世界に転生を重ね、女性が生きづらい物語を書きかえてゆく!
北陸の田舎町の高校生・俊晴は、物理教師・日暮の策略で人力飛行機同好会に入れられてしまった。部員たった三名の弱小団体。いやいや活動を始めた俊晴だが、やがて自力で空を飛ぶ魅力に目覚めていく。一方、中央では熱狂的な支持を集める強硬派の総理の下、戦争が足元に迫っていた。頻発するテロ、そしてー。熱い青春小説にしてリアルな予言性に満ちた圧倒的傑作!
本とともにちょっと不思議な世界が広がる小説全8編。執筆陣は、大島真寿美、柴崎友香、福田和代、中山七里、雀野日名子、雪舟えま、田口ランディ、北村薫。今旬の作家が紡ぐ「本の物語」。
とりたてて特色のない雪国・X県。地産地消の食物、整った子育て環境、健康長寿。X県を彩る言葉は女たちを縛り付けて離さない。三十歳の蒼子は、代々X県に土地を持つ家の一人娘。夫と二人きりで、穏やかに暮らしていた。彼女が自分の姿を重ねるのは、隣家を守り続けてきた番犬トウマ。蒼子はまだ知らない。彼女を取り巻く悪意が、幸せの裏で膨れあがっていることを。X県で暮らす女性の、幸せの歪みを描く連作小説。 夫と二人で暮らしながら、虐げられる隣家の老犬トウマに想いを馳せる三十歳の蒼子。 県が主催するお見合いパーティーでX県の男性と知り合い、嫁いだ絵里花。 「遊んでいる」と後ろ指を指されることに苛立ちながらハンドルを握る専業主婦の穂菜美。 正社員として働くため結婚三年目にしてIターンを決意した紫陽子。 行方不明の幼なじみを訪ねて、妊婦の身で夫の単身赴任先に同行した心葉。 「住んで良かった」「持ち家率」「子育て環境」「女性の働きやすさ」「健康長寿」全ランキングで燦然とトップに輝くX県。しかし、そこに暮らす女性たちは、ひたひたと闇に呑み込まれていく。一体なぜ? 怖いけれど止められない、女性の胸打つ悲しき連作ホラー小説。 第一話 隣犬トウマの破顔 第二話 おいでおいで 第三話 飛び出せ! 社会の宝たち 第四話 しあわせのヤマイモ 第五話 この道はいつか来た道 第六話 しあわせの始まり
放課後誰もいなくなった教室、夜中の肝試し。都市伝説や怪談ーー。読者と選んだ好評アンソロジーシリーズ。こわ〜い話編には、赤川次郎、江戸川乱歩、乙一、雀野日名子、高橋克彦、山田悠介の短編を収録。
暗い雨の日には、お堀ばたを歩いてはいけない。オホリノテに、影を喰われるー舞台は現代の福井、平穏に暮らす公務員・奈津美が見たものは何か。雨の日に這い出す藻草、タブノキの下に埋まっているもの、午前2時19分に鳴る公衆電話、出られないトンネル…実話から織り上げた珠玉の怪談小説。第2回『幽』怪談文学賞短編部門大賞受賞作。