著者 : 雨宮慶
高校時代にフラれ、それを引きずってきた男は今やIT企業社長となった。そこにその女性から借金の申し入れが。男はここぞとばかりに体による代償を求めるが、実は裏が(「想定外の人妻」)。人妻の主任が、純情そうな部下の男を誘惑し、筆下ろしを行なうが意外な展開に(「童貞の誘惑」)ほか、夫以外の男と人妻の午後の秘密をエロティックに描いた傑作官能集!
公設秘書を勤めている代議士の引っ越し作業を手伝っていた石岡は、これまで意識していなかった代議士夫人からエロティックなものを感じ、当惑する(「汗淫」)。その他、19年前に一度だけ思わぬ関係を持った画家と人妻の再会譚や、エリート官僚の妻が小さなきっかけで不倫の関係に踏み出すなど、人妻たちが淫らな陥穽に落ちていく心情を描いた短編全7作を収録した、珠玉の官能短編集。
高校生になった公太は、最初の夏休みを東京のテレビ局でアナウンサーをしている憧れの叔母・響子のマンションで過ごすことになった。深夜に響子が浴室でシャワーを浴びている音を耳にして狼狽えた公太だったが、誘惑に抗えず覗いてしまったことから、二人は禁断の関係に踏みこんでしまう。次第に深みに嵌まっていく二人に待っていた結末とは。傑作長編エロス。
赤赤裸々に綴られた不倫の詳細。偶然見つけてしまった妻の日記を盗み見た夫の、苦悩と予期せぬ効果を描いた「不倫日記」。アダルトサイトの動画に、高級官僚である上司の美人妻のあられもない姿を見つけた男が、あわよくば恩恵に与ろうと女を誘い出す顛末を描いた「淑女に棲む淫虫」。日常のありふれた生活からほんの少し逸脱したために、さまざまな形で陥ってしまう性愛の世界を描いた傑作オリジナル官能短編集。
大手商社の総務部に勤める吉野文彦は、秘書課の西尾早紀に告白して振られた夜、向かいにあるマンションの部屋に住んでいる美しい人妻のセミヌードを覗き見る機会に恵まれる。夫と二人暮らしらしいその人妻は蓮見奈央子といい、なんと弁護士だったことを知った文彦だが、覗かれていた奈央子のほうにも淫靡で密かな思惑があった。傑作長編エロス。
早瀬美枝が週末の夜に思いがけず再会したのは、7年前の教え子だった。当時の忌まわしいできごとは、美枝の中では甘美な記憶になって残っていたのだが(「指の記憶」)。妻の性生活への不満をその女友達から打ち明けられた高倉は、真実を探ることに(「イケない女」)。そのほか、6年前に別れた元妻との不思議な逢瀬など、6編の艶めく作品を収録した珠玉の傑作官能短編集。
高校三年生の夏休みに入ってすぐ、友部僚太の家の隣に引っ越してきた沢井美菜は画家で、最愛の人を亡くした未亡人だった。その夜、自室の窓から美菜の寝室を覗き見ることができると知った僚太の眼に、バスタオルを巻いただけの姿の美菜が現れる。反対側の隣に住む、幼馴染みの大学生川村彩香の母もまた、未亡人だった。実力派による傑作エロス。
妻と娘を東京に残し、新潟で単身赴任生活を始めてから八カ月。月に一度の帰京のため新幹線に乗った江上達郎は、隣の席に座った本橋みずきに心を奪われる。離れて生活しているためか、家に戻ると妻・淑恵との性生活も楽しめるようになっていた江上だが、赴任先でのみずきとの逢瀬が、慎ましやかな妻との夜にもさらに彩りを与えていく。実力派による傑作エロス。