著者 : 雨宮町子
私鉄沿線私鉄沿線
東急世田谷線上町駅近くのマンションで起きた29歳の既婚女性墜死事件は、自殺の様相を濃くしていた。世田谷中央署の蔵前一郎刑事の相談を受けた元警視庁警視の父親は、自分が被害者の恩師に成りすますことを提案。頼りない息子に指図しながら捜査を進めるうち、同じマンション内の意外な交友関係が浮上する…(「三か四か」)。など、私鉄沿線在住の人間たちの錯綜した関係が織りなす六つの事件。
骸の誘惑骸の誘惑
予備校講師をしている結城可那子のもとに突然、弟のバイク事故死の知らせが届いた。バイクは盗難車、死亡時に大金を持っていたなどの点に不審を抱いた可那子は、事故直前の弟の足取りを追う。浮かび上がる謎の美女の影。その背後にはいったい何が?現代日本を生きる男女の不安と心の渇き、そこに付け入る社会の悪意をみごとに活写したデビュー作。新潮ミステリー倶楽部賞受賞。
殺される理由(わけ)殺される理由(わけ)
週末に毛利家に宿泊した八人の男女。下宿人の新人小説賞受賞を祝ってささやかなパーティーが催されたのだ。翌朝、客のひとりが撲殺死体で発見された。凶器は中庭の傘立てに立て掛けてあった金属バット。容疑者として被害者の大学時代の友人が逮捕された。だが、八人にはそれぞれ一口では言えない心のぶつかり合いがあった。真犯人はこの中にいる!書下し表題作他五篇の傑作推理連作集。
骸の誘惑骸の誘惑
誘い込み、搾り取り、骨抜きにして、するりと姿を晦ます女。次なるターゲットを求め、闇の中で眼を光らせている女。ノルマをこなしながら美しく着飾って巷を浮遊する女。でもあなたは、決して幸せではないはず。もしかすると、本当はもう骸となって、男たちに甘い幻を見せているのかも…。現代という名のベールの下に隠れ棲む恐怖を描く、心理サスペンスの傑作!第二回新潮ミステリー倶楽部賞受賞。
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