著者 : 霧海正悟
アードラの歴史を織りなす、それぞれの想いが輝きを放つ短編小説集。
古の時代、世界は神によって二つに分けられた。科学が支配する人間界・エルデと魔法が支配する異世界・ファンダヴェーレ。そして世界には封印された強力な「力」があった。その力「封印の鍵」を宿すエルデの少年・鈴風草太は東京の中学校に通う普通の男の子。幼なじみの女の子に頭の上がらないちょっと頼りない草太に、邪眼の魔女・サンドリヨンと腹心の部下ヘンゼルの魔の手が伸びる。草太の警護をするのは赤ずきん、白雪姫、そしてオオカミ族のヴァルなど、おとぎ話のヒロインたち。…その熾烈な争いの中、あらたな刺客・グレーテルがツインテールの髪を軽やかに揺らしながら、エルデにやってきた。「封印の鍵」の争奪戦のさなかに、行われたもう一つの闘い。それはグレーテルの赤ずきんへの嫉妬心からはじまった恋の闘い!?だった。
ある夜、まちの夢の中に謎の仙女が現れて「三日後の満月がのぼるまでに男と結ばれねば、一生結婚できないであろう」と、とんでもないお告げをくだす。本気にしないまちだが、三日後、神社の蔵書の中から巫女に運命を告げるという仙女に関する記述をみつけて…。表題作の他、短編二本も同時収録。
遠い昔から海上貿易の要として繁栄し「海の宝石」と称えられてきた美しい都市。ですが…それも今は昔。十年ほど前に起きたドラゴンの襲来で、街は本来の輝きを失ってしまったのです。トリスティアの人々は、街の復興に一生懸命励みました。ですが、やることなすこと、すべて裏目。かえって街はさびれる始末。万策尽きた街の人々は、数々の滅びかけた都市を甦らせたという、伝説の発明家「大工匠プロスペロ・フランカ」にトリスティアの再建をお願いすることにしました。そして、待ちに待った大工匠プロスペロ到着の日…街の港に降り立ったのは、たったひとりの女の子だったのです。プロスペロは自分の代わりに、新米工房士のナノカをよこしてきたのでした。
クロードやレナたち、スターオーシャンセカンドストーリーのキャラが短編集で大活躍!本編のストーリーとは別の魅力が満載のプライベートストーリー8編を収録。