著者 : 青山陽子
心、とけあうとき心、とけあうとき
傷ついたような緑の暗い瞳。傾けたグラス越しの深い声。バーで見かけた陰のある男性ジーンに、アリソンは魅了されてしまった。女性関係が派手で、危険な男だともっぱらの噂なのに。両親を亡くして以来、ひっそりと生きてきたアリソンは、人一倍恋に臆病だったー25歳のいままで男性経験もない。けれど、彼に気に入られたくて精いっぱい大人の女を演じた。飲んだこともないお酒を飲んで、遊び慣れたふりをして…。そしてついに結ばれた夜、怯えるアリソンが無垢だったと知るや、ジーンは激高した。「ぼくは遊び慣れた女としかつきあわない」アリソンの胸を、惨めさと哀しみがえぐった。
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