著者 : 青木俊
2023年、秋。北海道・札幌の葬儀場で道警捜査一課の生方吾郎は、久野麻美という女を張っていた。8日前に起きた殺人事件の被疑者である彼女は、葬儀場を出た後、警察の追尾を受けながらもその姿を消してしまう。女はどこへ逃げたのかー。札幌、旭川、釧路…捜査の網を次々とかわして北海道を脱出しようとする麻美。生方は所轄の駆け出し刑事である溝口直子とコンビを組み、麻美をどこまでも追う。手に汗握る逃走劇、その先に隠された思いもよらぬ真実とはー。
30年前に小樽で発生した母娘惨殺事件。死刑がすでに執行済みにもかかわらず、被告の娘が再審を請求した。娘の主張が認められれば、国家は無実の人間を死刑台に追いやったことになる。司法の威信を賭けて再審潰しにかかる検察と、ただひとつの真実を証明しようと奔走する娘と弁護団。「権力vs.個人」の攻防を迫真のリアリティで描く骨太ミステリ小説。
警察官の姉が東シナ海の訓練で行方不明となって五年、防衛上の機密を理由に当局が真相を明らかにしないなか、新聞記者の山本秋奈はキャリア官僚の堀口とともに謎を追う。折しも沖縄ではオスプレイの墜落、県警本部長狙撃など事件が続発。一見無関係なこれらは、ある重大な国際問題と繋がっていた。圧倒的リアリティで日本の今を描く情報小説。
五年前、東シナ海島嶼上陸訓練で姉を亡くした沖縄新聞記者の山本秋奈は、姉の死の真相を明らかにするため周辺取材を続け、とうとう「冊封使録」の存在に辿り着く。その中の一冊「羅漢」が、姉の死に関わっているというのだ。尖閣の領有権を主張する根拠として中国がたびたび言及するこの古文書には、一体どんな意味があるのか?折しも沖縄では米兵による女子高生強姦殺害事件と、その後の県警の不適切な対応が世論を激化させ、さらに白昼オスプレイが墜落。現場に急行した秋奈が目にしたのは…。米国の思惑と背後に見え隠れする中国。その時、日本政府は??圧倒的リアリティと情報量の大型エンタメ小説。