著者 : 韓成禮
韓国詩壇において舞楽条件と美学性を兼ね備えた詩を書く、数少ない詩人といわれる宋燦鎬(ソン・チャンホ)のエッセンスがつまった詩集 その列車には美しい監獄がある 速力は美しい ふと、その美しさが車窓を遮った 列車は汽笛を鳴らす 豚たちの声がかれる 車両ごとに不安が渦巻いている ああ、その尊い酒も すでに血まみれになった 宋燦鎬は大学を卒業した後に一年ほどサラリーマン生活をおくったことがあるが、都会生活が性に合わず退職し、故郷に戻って現在まで農業を営みながら詩を書いている。農村生活の中で生まれた宋燦鎬の詩には、童話の世界が広がっており、草・花・木・鳥・蝶・動物などのような自然が主な主人公である。 「訳者あとがき」より
「文貞姫の詩的な思惟は闊達で、詩語は堂々としている。それは40年前に詩人としてデビューした時も今も全く変わっていない」(李崇源)。 高校在学時の1960年代から活躍し、その女性的生命観、卓越した表現力、実存的自我によって、韓国現代詩の先駆をなしてきた詩人、待望の邦訳版アンソロジー。
韓国を代表する詩人、アン・ドヒョン 日常のなにげない風景から、人と世界をみつめたエッセー集 「文を読んで書くこと、それはこの世と恋愛することではないか」とアン・ドヒョンさんはいう。しかも「心だけでの恋愛、手先だけでの恋愛を私は警戒する」と。 詩人の目で捉えた世界が、日常が、ゆったりと静かな風景の中を過ぎる。「尹東柱と福岡」「淋しがろう」「冬の希望」「私と靴の関係」「悲しい詩」など、詩人のやさしさが読む人の心を温かく包む。 詩人の心が大切にされ、多くの読者を確保し続けている韓国の文学的風土の豊かさが伝わり、透明でさわやかな風が吹き過ぎていく。これを読んだ人はきっと韓国に行ってみたくなり、詩人と同じ情景に浸ってみたいと思うに違いない。 氷蝉 尹東柱と福岡 日本を見る目 人が人に出会う夢 母親と妻の違い 淋しがろう 暖かいバス 不便な関係 ラーメン礼讃 凧のように 金剛山の旅 美食家の理由 寸志と寸書 新春文芸 文芸創作学科 冬の希望 人生とはなにか 朝顔の会 海を前にして 報春花 詩の国 私と靴の関係 詩集も商品だ 詩人と酒 民衆版画家 お金と詩人 虎が再び… 大人のための童話 赤いTシャツ 神の息子、将軍の息子 小犬の糞 悲しい詩 幼い息子に 本家の奥座敷 民衆と人民 インターネット時代 飴売り 詩集「農舞」 ある小説家 私の作業室 淡水魚を飼う 反米感情 地域感情 俳句と時調 夕べの祈り 詩人の白石 ある農民の頑固さ 詩人と戦士 無題 良いものは近くに 共に生きる あとがき 時代と向き合う酔いどれ詩人