著者 : 風音さやか
遙かな森の天使遙かな森の天使
森のコテージで大切に育てられ、いまや美しく成長した孤児のアリー。ある日後見人スターリング卿に呼ばれ馬車で城に向かったアリーは、覆面をした黒ずくめの男に襲われる。最近世間を賑わせている、富豪から金品を盗んでは貧しい民衆に与えるという追いはぎだ。だが男は、恐怖に震えながらも果敢に立ち向かうアリーを面白がり、しかもなぜかアリーの名前を聞くとすんなりと彼女を解放した。謎めいた男のことが頭から離れないアリーだが、動揺に追い打ちをかけるように城に着いてまもなく、自分に婚約者がいることを聞かされ…。
天使の情熱天使の情熱
おれが死んだら、妹の後見人になってくれー戦死した友人との約束を果たすため片田舎を訪れたダヴェントリー侯爵は、目の前の廃墟のような館を見て唖然とした。こんな場所で人が暮らせるものなのか?しかも友人の妹ブルーデンスは、亡き兄のお下がりをまとった、どこから見ても少年のような垢抜けない容貌で、もう18歳だという。後見人としての務めをまっとうすべく、ダヴェントリーはブルーデンスを社交界デビューさせようと、ロンドンの街へ連れていくが…。天真爛漫なうら若きレディに翻弄される、侯爵の運命やいかに?
呪いの城の伯爵呪いの城の伯爵
ヴィクトリア朝時代イギリス。カミールはその知らせを聞き、恐怖に凍りついた。愛する養父が盗みを働こうとしてカーライル城に忍びこみ、捕らわれたというのだ。先代の城主夫妻が悲惨な死を遂げて以来、その城には呪いがかかっているともっぱらの噂。さらに現在の城主である伯爵ブライアンは、両親は殺されたのだという妄想のもと世間を恨み、復讐に燃えているらしい。でも…たとえそこが呪いの城だとしても、養父を見殺しにはできないわ。カミールは勇気を振り絞り城に赴く。待っていたのは奇妙な獣の仮面をつけた伯爵だった。
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