著者 : 飯田隆昭
フードゥーの呪い、怖るべし。グランド・キャニオンのようなでっかいエゴをもてあまし、非道の限りをつくす白人牧場主に天誅を下すべく、ループ・ガルー・キッドは秘伝のフードゥー教の呪いを発動させた。シュールなブラックユーモア、過激なパロディ…、現代アメリカ黒人文学最大の鬼才、イシュメール・リードが放つ、黒い笑いに満ち満ちたオカルト・ポップ・ウエスタン小説。
1995年1月27日午後6時47分、第三次世界大戦勃発…そして終結へ。その間わずか4分、核戦争をスラップスティック風に描いた「第三次世界大戦秘史」。エイズが蔓延した21世紀における性の様を描く「エイズ時代の愛」。中東紛争を戯画化した「ウォー・フィーバー」など、近未来を舞台にイマジネーションを刺激する14篇を収録したバラードの最新短篇集。
アメリカでの不毛な生活を脱し、タンジールへやって来たダイアーと、モロッコ人タミ、レズビアンのユーニスらはいかなる運命に翻弄されたか。人間存在の言い知れぬ不安と恐怖、闇の中を手探りで進むように一寸先に待ちうけるどんでん返し、読む度ごとに発見がある伏線につぐ伏線。メイラー、カポーティと並ぶ第二次大戦後を代表する作家であり、スタイン、オーデンらと邂逅し、テネシー・ウィリアムズ、カポーティ、ブライオン・ガイシン、バロウズ、ケルアック、ティモシー・リアリーらから敬愛され、ジェインの夫であった、あのポール・ボウルズの傑作長篇。
「俺は永遠に生き続けるんだ…」強迫観念的に〈永遠の生命〉を希求する男、ハートは、幻の「マヤの書」から死と恐怖の秘密を探り出し、巧妙な情報操作によって全生命の支配と管理を企むが…。古代マヤから現代へ、時空を遥かに超える場面転換、極彩食の幻覚が織りなす万華鏡世界-。バロウズ特有の技法を駆使しながら黙示録的結末へと展開する表題作ほか、ロバート・F・ゲイルのユニークなイラストを含む「言霊の書」、カットアップをはじめとするバロウズ理論の解説書「電子革命」の2編を併録。
1995年1月27日午後6時47分、第三次世界大戦勃発。6時51分終結。その間、わずか4分。そしてその実事を知っているのは、ワシントン郊外に住む一小児科医だけ。恐怖の核戦争をスラップスティック風に描いた快作「第三次世界大戦秘史」。終りのない内乱に明け暮れるベイルート。17歳の少年戦闘員ライアンは、停戦を実現するすばらしいアイデアを思いつくが…。中東紛戦を戯画化した表題作「ウォー・フィーバー」。エイズが蔓延した21世紀。低下する一方の出生率を上げるため、国家によるセックスの強制が実施される(「エイズ時代の愛」)。イマジネーションを刺激する14篇を収めた最新短篇集。
永遠の生命を求めて作家W・S・ホールらは古代エジプト神話的西方浄土へと旅する。彼らは神の操る根本倫理を超越し、迷宮宇宙をくぐりぬけなければならない。バロウズ74歳(’87年)の圧倒的傑作最新長篇。
父とその年若い再婚相手とともに、幼い日々を過ごしたインドのバルラムにやってきた青年ルパート。若くして亡くなった母の墓を訪れた彼は、そこで意外な事実を発見する。凍りついた過去の記憶がゆるやかに融けだす、ミステリー仕立てのサイコドラマ。
バロウズの新たな魅力を爆発させた’80年代3部作から新登場。本邦初公開。アメリカ西部のガンファイター、キム・カーソンズによる時空を超えた権力の悪との闘いと殺しの美学。「銃による決闘は禅の道のような魂と魂の闘いである」と語るバロウズのライフワークともいえるウエスタン小説。