著者 : 高岬沙世
女王陛下の勅書送達吏スタンレーがスペインで危機に陥った。好ましからざる人物として警察から手配されたのだ。救出の命を受けたハーフハイドは現地に潜入。だがスタンレーとの接触には成功したものの、謎の一味に捕らえられてしまった。しかもスタンレーの口から明かされたのはビクトリア女王の暗殺計画。はたしてハーフハイドはこの情報を本国に伝え、陰謀を阻止できるのか。行く手にはスペイン艦隊が立ち塞がる…。
英国地中海艦隊の本拠地マルタ島へ赴いたハーフハイドを、またもや過酷な任務が待ち受けていた。初の指揮艦を操り、ロシア海軍によって黒海へ連れさられた英国商船を奪回せよというのだ。ハーフハイドは黒海への入口を守るトルコ軍要塞からの激しい砲撃にさらされながらも侵入に成功する。だが、そこには彼に積年の恨みを抱くゴルジンスキー大公と彼の率いる強大なロシア艦隊が待ち構えていた。海洋冒険シリーズ第4巻。
海底火山の爆発によって誕生した新島を、英国の領土にせよー海軍省の密命を受けたハーフハイド大尉は、帆船時代の遺物ともいえる老朽艦ヴァイスロイ号の副長として、フィリピン近海へと赴く。だが島は、すでにロシア海軍の誇る新鋭巡洋艦の戦隊に占領されていた。しかも戦隊司令官は、彼に敵意を抱くゴルジンスキー大公。ハーフハイドは大公の狡猾な罠に落ちて捕えられ、絞首刑を宣告された。海洋冒険シリーズ第2巻。
「ヨットマンのエベレスト」と讃えられる世界一周の「ランカスター・グレート・サークル・レース」。イギリスのポーツマスを出発して大西洋を越え、ケープタウンを回ってシドニー、リオ・デ・ジャネイロ、そしてポーツマスに至る、雄大かつ危険に満ちた大ヨット・レースである。勝者の栄冠を求め、全世界からヨット乗りたちがエントリーする-。操船ミスの汚名をそそがんとするイギリスのエド・コール、豪放磊落なオーストラリア人チューブズ・マーフィ、祖父の代から海で生計をたてているアメリカ人アート・シャッカー、人気を取り戻そうとあせるテレビ司会者デイブ・ケリー、フランス貴族の末裔アンリ・ド・ロシャンボー、女性クルーのエミリー・デハビランドとハリエット・アグニュー…。それぞれの思惑を胸にスタートした彼らを待ち受けるかずかずの苦難。大いなる波涛を越えて、栄光のポーツマスに一位で辿りつくのは誰か?「海のディック・フランシス」と賞賛される気鋭作家が、海を愛する人々の勇気と連帯を爽やかに描く壮大な冒険小説。
1891年2月、英国海軍大尉セントビンセント・ハーフハイドは海軍省に呼び出され、極秘任務を命じられた。西アフリカのベニン湾沿岸にロシア海軍が要塞を築き、英国の交易路を脅かしているとの情報が入った。そこで現地へ潜入し、情勢を探れというのだ。かつて艦長と諍いを起こし、休職の身となった彼としては、この危険な任務を引き受けざるをえなかった。巡洋艦に乗りハーフハイドはベニン湾へ向かう。だが行く手に待つのは、因縁浅からぬロシアの提督と彼の強力な戦隊だった。激動の時代を奔放に生きる海の男の活躍を描く新海洋冒険シリーズ。
1762年春、ワトスン司令官から命を受けたアダム・ホーム艦長は、部下のボンベイ・マリーン隊員を召集してマドラスへ向かった。その途上、海賊船に襲撃され苦闘の末にこれを撃破。ホーンらはようやくマドラスへ辿り着くが、そこで総督から困難な任務を申し渡される。東インド会社の買付代理人が、会社の金と貿易船を奪って失踪した。どうやらその男は、清国の広東で何事か企んでいるらしい。それを探り出せというのだ。フリゲート艦ヒューマ号に乗り、ホーンらは波高き海原へ出帆したが…!中国を舞台に展開する白熱の海洋冒険シリーズ第3弾。