著者 : 高木敦史
静岡県沼津市で交通事故が発生、運転していた小学校教諭の森遠謙介が死亡した。一人娘の伊緒が悲嘆にくれる中、驚愕の事実が判明する。事故発生日の未明から、謙介の教え子である恩田六助の行方がわからなくなっていたが、その痕跡が車内から発見されたという。お前の父親は誘拐犯だ。周囲からの非難、マスコミの追及、警察の圧迫ー。折れそうな心を奮い立たせ、真実を知るため、伊緒は六助を捜し始める。
自分の住む町に息苦しさを感じ東京の大学に進学した可瀬理久は、大好きな写真家・渡引クロエがかつて立ち上げたという創作サークルに入会。しかし廃部寸前で活動はほぼ0。気を落としていると「写真越しに目が合うと会話が出来る」不思議な力を持つ同い年の女の子・渡引真白と出会う。なんとクロエの娘だった。真白は会ったことのない父親を捜しているらしいが、そこにはとある事件が絡んでいて…。青春恋愛キャンパスミステリー!
“アイドルを嫁にしたい”役場の杉井は、村の権力者巴山を丸め込み、自ら育てたアイドルをデビューさせるため、のど自慢大会を開催した。だが大会中、巴山が死体で発見された!事故か殺人か。捜査が進む中、別件で巴山を訪ねてきた東京の刑事は“殺し屋”の犯行を疑う。なぜ殺し屋が村に!?そこには村が隠し続けた禁忌が…雪深き山村で起こる前代未聞の大事件!
写真部・有我遼平と占い女子・鉢町丹子は幼馴染みだが、高校生となった今は互いを避ける微妙な関係。あるとき弓道部で起こった「期待のエース突然退部事件」に巻き込まれた遼平の話を、偶然聞いてしまった丹子は、持前の洞察力を駆使し、事件の真相をこっそり言い当てる。図らずも遼平を救った丹子は、その日以来物陰から遼平に推理を伝える「壁越し探偵」となった。気になるのに近づけない。じれったい男女の恋と謎解きの青春。
高校一年の秋、楡未來は亡き叔母が“4枚同時再生が必要な”CDを遺した意味を探るため、軽音部の部室を訪れた。そこで待っていたのは、演奏しない「聴く専門」部員・塔山雪文。挙動不審で怖がりだけど、音楽にはものすごく詳しい塔山の力をかりて、未來は叔母の真意を追う。架空言語で歌う曲を題材に書かれた小説の盗作騒動、壊されたギターと早朝の騒音との関係など、学校で起こる事件を音楽の知識で解き明かす全4篇。