著者 : 高杉啓子
夫を愛してしまう自分が怖い……。 社交界の誰もが知る、政略結婚なのに。 ギャビーはハンサムなスペイン系大富豪の夫ベネディクトと、 オーシャンビューの大邸宅で、誰もが羨む豪奢な生活を送っている。 しかし、ベネディクトがビジネス帝国を築くために政略結婚したことは、 上流階級の人々のあいだでは周知の事実だった。 どこか距離を置こうとする夫の心をつかみきれないギャビーは、 ベッドの上でしか愛されない悲しみを氷の仮面で隠してきた。 本当は彼を心から愛しているのに……私の役目は跡継ぎを産むことだけ。 あるとき、ギャビーの血のつながらない美貌の妹が町に帰ってきた。 姉を敵視する妹は不敵な笑みで告げたーーベネディクトを奪ってみせると。 その日から、ギャビーの嫉妬と不安に苛まれる日々が始まった! 名作家ヘレン・ビアンチンによる、最愛の大富豪との愛なき結婚生活に悩む若妻の物語をお届けします。妹の宣戦布告に対して「彼の愛人になりたいのね」とギャビーは言いますが、妹から、さも自信ありげに「彼の奥さんになりたいのよ」と返されてしまい……。
重体の母を救ったのは、 私に娘を授けてくれた元恋人だった! 交通事故で父が亡くなり、母は重体だという連絡を受け、 モリーは11年ぶりに娘を連れて故郷へ帰った。 待ち受けていた主治医をひと目見るなり、彼女は仰天する。 まさかダンとこんな形で再会するなんて……。 11年前の夏、プレイボーイの彼に恋した17歳のモリーは、 背伸びをして年齢を偽り交際に漕ぎつけたものの、 結局未成年だと気づかれ、追い払われたのだった。 今や誰からも信頼される有能で精悍なドクターに変貌した彼に、 モリーは胸をときめかせるが、慌てて自分を戒めた。 ダンに知られてはだめよ──娘の出生の秘密だけは。 かつてのワイルドなプレイボーイが、誠実なドクターに変身していたら? 数々の印象深い作品を世に送りだしてきた人気作家が描くドクターとのシークレットベビー・ロマンスです! 娘の存在を知った彼に求婚されたヒロインが、悩んだ末に出した答えは……?
たかが少女の恋。されど愛。 変わらぬ想いが、そこにあったーー 太陽のような笑顔と艶やかな黒髪をした、楽しく魅力的なフランコ。 18歳のジョアンは留学先のイタリアで出会った瞬間、恋に落ちた。 フランコが妹のようにしか見てくれなくても幸せだったーー ジョアンとよく似た年上のいとこ、ローズマリーが訪ねてくるまでは。 いとこの優雅で繊細な大人の女性の魅力に惹かれたフランコは、 ジョアンの目の前で、ローズマリーと結婚してしまったのだ。 あれから8年。久しぶりに再会したフランコは病で妻を失い、 あの頃とはまるで別人のように暗く沈んでいた。 いまだ彼への愛を秘めたジョアンは、張り裂けそうな心で思った。 いとこの身代わりでもいい。それで彼を癒やせるのなら……。 ヴァージンロードを歩く幸せなフランコとローズマリーの後ろで、切ない失恋の痛みに人知れず耐えたジョアン。もしも彼への恋心が十代の少女にありがちな一時的な熱狂であったなら、どれほど楽だったことか……。もどかしい恋を、故人の手紙が後押しする感動作。
「僕たちの問題を解決する時がきた」サファイアの隠れ家をつきとめた、ドレイクが乗り込んできた。一日たりとて忘れたことのなかった夫の顔を、じっと見つめる。甘いマスクの富豪ドレイクは優しくて、まさに理想の男性だった。しかし、やがて仕事に忙殺される夫との喧嘩が絶えなくなりー彼が別の女性とバカンスに出かけたと知った朝、家を出たのだ。それから妊娠に気づいて、流産し、絶望に打ちひしがれた。いまさらどうなるというの?ほんの束の間たしかに幸せだった。でも、あれはただの夢。もう二度と帰らない、美しい夢…。
ジェンマは兄の誘いにこたえてクレタ島に到着した。ところが島に滞在しているはずの兄は、約束の日時に空港に降り立ったジェンマを迎えに来なかった。空港近くのホテルに落ち着いて数日後、やっと兄からメッセージが届き、ジェンマは小さな村の別荘を訪ねていった。だがそこに兄の姿はなく、代わりに前日遺跡で出会った男性が現れた。なぜか怒りに燃える目でじっとジェンマを見つめていた、あの男性だ。そのとき、ジェンマは知りもしなかったー謎の男性がアンドレアス・ニコライデスというホテル王の富豪で、冷酷にも彼女を誘惑し、身も心も虜にしようと企んでいるとは!
意地が悪く身勝手な母親に虐げられ、人の優しさを知らず怯えながら生きてきたトレイシー。ある日彼女は騒動に巻き込まれ、近くの大牧場を経営するタイの車を壊してしまい、償いとして牧場に住み込んで働くことになった。タイはたくましくて常に自信に満ちあふれていて、自分とは正反対の彼に、しだいにトレイシーは心惹かれていく。だが一方のタイはトレイシーのことを、母親と同じ、狡猾で節操のない女だと思い込んでいて…。
ギリシアの美しい島でキャサリンは、旅行中の世界的な億万長者フィンと運命的な恋に落ちる。だがフィンとの関係を、キャサリンの上司が嗅ぎつけ、著名人の醜聞として暴露してしまう。その日、フィンは花を抱えて現れた。いつもと変わらぬ熱心さで彼女を求めー許されたと安堵したのも束の間、フィンの顔が変貌し、辛辣な言葉で別れを告げたのだった。キャサリンは泣きながら、花をバラバラにした。予期せぬ妊娠に気づいたのは何もかも終わったあと…。