著者 : 高柳雅人
函館本線の線路際で、警視庁を定年退職した川島が、絞殺死体となって発見された。一方、東京では川島の自宅に空巣が入る。十津川警部は、両方の事件が同一犯人の可能性があると考え、捜査を開始。しかし、捜査上に浮かんできた容疑者には、完璧なアリバイがあった…。ほか、根室本線の横転事故、廃駅の「幸福駅」を巡る事件など、北海道を舞台に、十津川警部が事件に挑む!トラベル・ミステリー傑作短編5篇。
高校2年生の正矢は絶望しきっていた。先輩で不良の崎山が23歳も年の離れた自分の母親と付き合い始めたのだ。ついに正矢は学校も退学してしまう。一方、独房に監禁された男が目を覚ました。どうやら大東亜戦争中の東南アジアで「大罪」を犯したらしい。そこへ謎の男が現れ拷問が始まる…。やがて正矢と男は互いの夢に現れるようになるが2人の過去には恐るべき謎が隠されていた!飴村節全開の驚愕エンタテインメント。
続発する失踪事件は、その規模を急激に拡大しつつあった。その謎を追う冴子は、ついに失踪前の父が南米ボリビアで書き残した手記にたどり着く。その中に、冴子は世界の仕組みを解き明かす鍵を見つけるのだった。恋人、霊能者、物理学者の力を借り、すべての答えに迫る冴子だったが…!?父はなぜ、どうやって姿を消したのか!?そして人々の消失の真の意味とは!?壮大なスケールで描く傑作サスペンス・ホラー、完結巻。
人が消えてゆくー長野、新潟、カリフォルニアで、人々が突如“消失”する怪現象が起こった。そんな中、フリーライターの栗山冴子は、ある一家が忽然と姿を消した“一家失踪事件”の謎を追い始める。18年前に父が、やはり消失ともいえる突然の失踪で行方不明となっている冴子は、一連の事件の中に、人類が経験したことのない未曾有の世界的異変を嗅ぎとるが…!?世界の基盤を揺るがす恐怖を描く、サスペンス・ホラーの傑作。
何者かの罠にはまり姿をくらました伝説の凄腕“フランキー・マシーン”を、マフィアの刺客がつけ狙う。20年来の友人、連邦捜査官のデイヴ・ハンセンも重要証人の殺害容疑でフランクの逮捕状を取った。じりじりと包囲網が狭まる中で、フラッシュバックする記憶をふるいにかけるフランク。誰がなぜ、彼を消そうとしているのか。だが容疑者のリストはあまりに長く、残された僅かな時間は尽き果てようとしていたー。黄昏の元殺し屋に仕掛けられた罠。鬼才、円熟のクライム・ノヴェル。
ツケを払わん奴は盗人や。ばんばん追い込みかけんかい!社長が吠えたその日からバーの名ばかりチーフのおれの災難は始まった。問題の客は明らかにその筋の匂いがし、お目当てのホステスはおれが密かに同棲している女ときた。そこへ現れた昔なじみが取り返しのつかない出来事に結びつくなんて、あの時は思いもしなかったー。北九州のネオン街を疾走する男たちの生き様を描く異色の青春小説。
歌舞伎町の中国黒社会で生きる武基裕。彼は残留孤児二世として中国から日本へやってきた。しかし、その戸籍は中国で改竄された偽物だった。ある日、武の所属する東北人グループのボス韓豪が、日本のやくざ東明会との交渉の席で、バイクで乗りつけた二人組に銃殺された。麻薬取締官の矢島茂雄に脅され、武はクスリの利権が絡むこの事件を調べるはめに陥る。手掛かりを求め、武は情報屋・劉健一のもとへと足を運んだー。
暗殺者は花城涼。育ての親に、暗殺者として育てられる。女子高生はリオ。父の愛情につつまれ、なに不自由なく育つが、父は嵌められ、死に追いやられてしまう。ふたりは、同じ男を追っていた。それぞれ、まったく異なる事情で。リオが、ついに男を追い詰め、ナイフを突き刺したとき、暗殺者は女子高生を現場から連れ去った。組織は、ふたりを追い始めた。心を開かない暗殺者と無邪気な優しさをもつ女子高生。緊迫した逃避行がふたりを次第に近づける…そして…。新堂冬樹のドゥルー・ロマンス。