小説むすび | 著者 : 高田恵子

著者 : 高田恵子

春を待ちわびて春を待ちわびて

好きな人に手は届きそうにない。 私の春は、いつ訪れるの……? 両親と船旅に出た白血病の少女につき添う看護師のフィリダ。 途中で少女の病状が悪化し、一緒に下船せざるをえなくなるが、 言葉も通じない土地で重病患者を独り抱え、フィリダは途方に暮れた。 そこへ、同じホテルに滞在するオランダ人医師、 ピーテル・ファン・シッタートが現れ、少女を診察して病院へ送った。 悲しいことに、少女がそのまま静かに息を引き取ってしまうと、 その後のこともピーテルが何くれとなく手配してくれた。 なんて頼れる人なの。もう会うこともないのだろうけれど……。 だが、患者を亡くした無念さと見知らぬ土地にいる心細さで、 彼女が涙しかけたとき、ピーテルが言った。「肩を貸してあげようか」 ハンサムなピーテルの申し出に、フィリダはたまらず小さくしゃくり上げてしまいます。もう大丈夫と強がってはみたものの、少女が亡くなったことでつき添いの仕事は終わり、帰国するお金も宿泊費も手元になくて……。切ない傑作シンデレラ・ストーリーです!

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