著者 : 鬼頭香月
従属国の証として大帝国の皇太子アランのもとへ嫁ぐことになったマリエットとアニエス。虐待を受けながらも心優しい王女に育ったマリエットは側妃として、一方、創生主の神子と崇められて育った気位の高いアニエスは皇太子妃として。しばらくは白い結婚という形だが、美しい心を持つマリエットにアランは引かれ愛し合うようになる。しかしアニエスは彼女が稀有な魔力を持ち秘密にしていることを知り、自分の力だと偽り利用しようと企んで!?
貧しい生家を救うため経済的な援助をしてくれる男爵家の子息と婚約しているエリーゼ。しかし妹と婚約者の逢瀬を目撃。二人から愛し合っているから婚約解消をしてほしいとすがられてしまう。彼の本心を確かめるため拒否したところ、「妹と婚約者の美しい恋を邪魔する悪女」という噂を広められ社交界中から後ろ指を指されることに。悲しむエリーゼに美貌の公爵令息・アルフォンスが婚約者の調査に協力したいと声をかけてきて!?
王太子リチャードに乞われて、やんちゃな末っ子王子の侍女をすることになったニーナ。ある日、目が覚めるとなんと王子と体が入れ替わっていた! 「だってお兄様が大好きなニーナを僕から取り上げるって言うから!」我が儘炸裂で泣きじゃくる自分の姿(中身は9歳児)に目の前が真っ暗に。一方リチャードはこれでは彼女を口説けないではないか! と頭を抱えて!?
婚約者であり初恋の人でもある王太子から、突然愛人の存在を告げられた侯爵令嬢ジュリアナ。しかも、結婚はしてやるから今後は愛人の後ろ盾になるようにとの要望付きでーー。あまりの屈辱に婚約破棄を願い出るが、何故か王太子はそれを断固拒否して外堀を埋め始める。そんな時、救いの手を差し伸べたのは幼馴染のキースリング侯爵だった。恋人となることで、王太子の執着を断ち切ろうというのだ。はじめは仮初めの関係と思って承諾したものの、巧みな策と長年の恋心をもってジュリアナを守る侯爵の姿に、彼女も自分の本当の想いに気づき始め……
幼馴染みテオバルトと付き合うことになったエミーリアは、占い師から残酷な未来を告げられる。彼は運命の人と出会い恋に落ち、エミーリアは彼女へ嫌がらせをしまくった挙句に振られるというのだ。彼の幸せを願うエミーリアは悪役に徹する決意をし、予言書通りに慣れない悪巧みに奮闘する。テオバルトはおかしなイタズラを始めた彼女に首を傾げつつ、昔エミーリアが人喰い妖精に襲われた経験から忍び寄る危険を感じて!?