著者 : 鮎川由美
モンタナの牧場育ちのボウディン・ロングボウは、家族4世代で観光牧場を発展させた一大リゾート施設を経営している。3年ぶりに再会を果たした初恋相手のカルが牧場で働くことになり、彼の変わらぬ優しさを懐かしく、そして頼もしく感じながら、しずかに恋心を再燃させていた。そんなある日、女性従業員のジーンが殺害され、近隣の女性も行方不明になった末に死体で発見される。保安官助手のクリントックは、学生時代にカルと衝突した個人的な憎しみから彼を犯人に仕立てようとするが…。
互いの気持ちを確かめ合い、愛情を深めてゆくボウディンとカル。このまま穏やかな日々が続くかに思われたが、ある夜、失踪したと聞かされていたおばのアリスが、牧場の近くで瀕死の状態で発見される。じつはアリスは家出をしたあと何者かに誘拐されており、その家から命からがら逃げ出していたのだった。三十年近くも彼女を監禁し、支配し続けた「サー」とは一体何者なのか?この事件をきっかけに、一連の不可解な殺人事件の真相が明らかになる。息を呑むロマンティック・サスペンス!
鷹狩り学校で働くオドワイヤー家の長男コナーは、森の中で悪の妖術師キャヴァンと遭遇し、襲われていた少年を助ける。その子どもこそ、コナーの先祖ソーカの息子エイモンが次元のはざまに落とされ現代に現れたものだった。一方、コナーの幼なじみミーラは、優しくてハンサムなコナーに対して淡い恋心を抱きながら、彼に心を動かされないよう自分を戒めてきた。しかしキャヴァンとの本格的な戦いが迫る中、ふたりは急速に男女の関係を意識するようになり…愛と魔術の三部作、待望の第二弾!
イオナはこれまでの人生を全て整理して、生地アメリカから自らのルーツを求めアイルランド西部へ向かった。目指すは彼女の一族が昔から暮らす大きな森が間近に控える地。到着するとすぐさま彼女は親戚が森の中で営む“ダーク・ウィッチ”を訪ねる。出迎えた親戚二人は彼女を歓待したうえに就職先まで面倒をみてくれた。乗馬クラブで仕事を始めたイオナはそこでオーナーのボイルの姿を目にして激しく心をときめかせる…。緑豊かな大自然を舞台に繰り広げられる恋と魔術の三部作が幕を開ける。
エマは、父親に命じられるまま十五歳の若さでアズベリー伯爵ことリチャードと結婚した。だが、夫は初夜の契りを交わした翌日、エマを残して外国へ旅だってしまい、彼のよき妻になろうという彼女の夢は脆くも砕かれてしまった。それから十二年が経ったある日、彼女はある人物に脅迫されて娼館に出向き、そこで夫の姿を見つけてしまう。一方、夫の方も意外な場所にいる自分の妻に気づいて唖然とするが…。『ハーレムに堕ちた淑女』で鮮烈なデビューを飾ったT・クレアの官能ロマンス第2弾!