著者 : 鯨統一郎
負けたら即、廃部よ、廃部!私立ヒミコ女学園では、日本文化を研究する“和風研”と“SOJ”の二つの部が鎬を削っていた。部の存続をかけた歴史討論にSOJは「刺客」を送りこみ、和風研を潰しにかかるが、歴史知識ゼロの新入生、北浦つばさが和風研に現われー。利休切腹の真相、芭蕉の旅の目的、歌舞伎の創始者の正体…女子高生たちの熱きバトルから飛び出す歴史の“真説”とは?文庫書き下ろし。
「娘を誘拐した。返してほしければ…」とんでもない条件に奔走する関係者たち。次々に仕掛けられるハードル。警察も翻弄されるなか、ある人物の一言が事件を急展開させるのだが…。張り巡らされた伏線と仕掛け、これぞ鯨マジックの真骨頂!あの手でもなく、この手でもない、前代未聞の誘拐ミステリ!
スリーバレーのバーテンダー松永は、早乙女静香の話についていくため日夜歴史の勉強を続けている。ある日、静香が宮田六郎と連れ立って店に入ってきた。これまで宮田に対してやたら喧嘩腰だった歴史バトルにおいても、何やら風向きが違う。なぜだ?二人の親密な態度は気になるが、現存する世界最古の国ニッポンのことを知らないのも捨て置けない…。
東京タワーのてっぺんに突き刺さった人間の死体…。警察庁特命刑事・間暮誠は、その光景を一目見るなり呟いた。-「見立て殺人です」。事件はそれだけに留まらない。北は北海道から南は沖縄まで、日本全国で発生した二一の奇天烈な殺人事件。その一方、治安を乱す元凶として日本中から次々に消されていく歌謡曲。見え隠れするのは謎の集団「ブラックローレライ」の影…。「歌う警部マグレ」シリーズ第三弾。初の長編の舞台となるのは、なんと“紅白歌合戦”!歌謡史に残る数々の名曲が事件の謎を解き明かし、勝敗の行方が日本の命運を左右する。
正義の味方・赤頭巾侍。いささか直情径行の気味あり。悪漢を切り捨てた後に苦しまぎれの“こじつけ”推理が炸裂!!しかも毎回。早トチリの剣豪の活躍を描く、異色の時代ミステリー。
小料理屋「ふく嶋」の板前、桃次郎は店舗の買収を目論む「加賀屋」と、店を賭けた料理対決に鎬を削っていた。一方、その「ふく嶋」の近辺では、罪のない善良な人々を殺害しておきながら、ぬくぬくと生き延びている殺人犯たちが、何者かに包丁で惨殺されるという奇怪な事件が続発していた…。腕の立つ実直な料理人が殺人鬼として極悪非道の犯罪者たちを“料理”していくブラックな味わいの連作短篇集。
何者かに殺されかけ、大正11年から現代の渋谷にタイムスリップしてしまった、明治の文豪・森鴎外。道玄坂で若者に袋叩きにされているところを女子高生・うららに助けられる。彼女の友人達の助けを借り、元の世界に帰る方法を探るうちに、文学史上の大疑問に突き当たり、鴎外を狙う意外な犯人の名が浮かぶ。
山体の膨張、低周波地震の増加、二酸化硫黄濃度の上昇、動物の異常行動、地下マグマの活性化…。富士山の直近の噴火は宝永四(一七〇七)年。それから三百年近くが経ち、富士山は今、三百年分のエネルギーを蓄えている。
ミステリアス学園ミステリ研究会、略して「ミスミス研」。ミステリは松本清張の『砂の器』しか読んだことがない新人部員の湾田乱人が巻き込まれる、怪事件の数々。仲間からのミステリ講義で知識を得た湾田が辿り着く、前代未聞の結末とは!?かつてない挑発に満ちた、鯨流超絶ミステリ、遂に登場。
喫茶店「ブルーリップ」の美人ウェイトレスが自室で殺された。畳には大量の竹が敷き詰められ、その中央に全裸の遺体が横たわっていた。容疑者にはアリバイがあり、被害者には過去があり、目撃者には邪心があった。そこに現れたのが間暮警部。持ち前の美声で昭和の名曲を歌ってから言い放つ。「犯人はこの部屋の中にいます」-表題曲ほか『別れても好きな人』『四つのお願い』『ざんげの値打ちもない』など懐かしいヒット曲の裏に隠された真実が、いまここに明らかになる。