著者 : 鳥飼否宇
綾鹿市動物園で行われるチタクロリンのコンサート。予想以上の集客で混乱する中、メンバーの飯岡十羽が撫でようとしたレッサーパンダに指をかみ切られてしまう。チーフ警備員の古林新男は綾鹿署の刑事・谷村の聴取に応じるうちになし崩し的捜査に協力していく。そして関係者が次々に襲われて指を切断される事件が続いていく。
眉唾の噂やホラばなしをネット配信して生計を立てている「特ダネゴーダニュース」の目玉企画は、社長の郷田とバイトの智己の災害現場への突撃ルポだ。しかし、二人の行くところ、なぜかいつも災害の陰に怪しい事件が待っている!ブラックなギャグとダークな欲望が軽快に展開し、意表を突くトリックと鋭い推理もたっぷり盛り込んだ、サービス満点の傑作。
<内容紹介> ヘンテコ学生ばかりの野鳥研究室「とり研」は、鳥がもちこむ事件でいっぱい。天才インコが犯人の名前をしゃべった? 鳥のヒナを襲った犯猫はどれ? 大学生の翼がへっぽこ推理を繰り広げる中、片思い中の先輩が姿を消して……。鳥たちの可愛さ全開のユーモアミステリ! <著者プロフィール> 鳥飼否宇 1960年福岡県生まれ。2001年に『中空』で第21回横溝正史ミステリ大賞優秀作を受賞しデビュー。16年に『死と砂時計』で第16回本格ミステリ大賞受賞。『昆虫探偵』『隠蔽人類』など著作多数。
柳生との孤独な戦いに挑む忍びが駆使する特殊な術とは?(殺人刀)下忍ゆえ舐めさせられた屈辱…愛する女のため抜け忍となった男の運命は?(忍喰い)伊賀の里を焼き尽くした信長への復讐に燃える、美しきくノ一の恐るべき策謀。(月に告げる)ほか、本格推理作家六人が贈る全編書下ろしの作品集。『黒ノ巻』に続く、謎に彩られたスーパー忍者活劇第二弾!
16世紀中頃。九州は大友、龍造寺、島津の三氏鼎立状態となっていた。そんななか、三氏も手を出せない国ーー勇猛果敢で「鬼」と恐れられた鷹生氏一族の支配地域があった。その居城、血のように燃える色をした紅城で、次々と起こる摩訶不思議な事件。消えた正室の首、忽然と現れた毒盃、殺戮を繰り返す悪魔の矢、そして天守の密室……。眉目秀麗な、鷹生氏の腹心・弓削月之丞が真相解明に挑む! 奇想、天を焦がし、城を堕とす。 ときは戦国。九州に、謎と血にまみれた城があったーー。 織田信長が天下統一をもくろみ、各地の戦国大名を次々と征伐していた16世紀中頃。九州は大友、龍造寺、島津の三氏鼎立状態となっていた。そんななか、三氏も手を出せない国ーー勇猛果敢で「鬼」と恐れられた鷹生氏一族の支配地域があった。その居城、血のように燃える色をした紅城で、次々と起こる摩訶不思議な事件。消えた正室の首、忽然と現れた毒盃、殺戮を繰り返す悪魔の矢、そして天守の密室……。眉目秀麗な、鷹生氏の腹心・弓削月之丞が真相解明に挑む! 序 破 破の壱 妻妾の策略 破の弐 暴君の毒死 破の参 一族の非業 破の肆 天守の密室 急
死刑執行前夜、密室状態にあった別々の独房で、二人の囚人はなぜ斬殺されたのかーー。世界各国から集められた死刑囚を収容する特殊な監獄に収監された青年アランは、そこでシュルツ老人と出合う。明晰な頭脳を持つシュルツの助手となって、アランは監獄内で起きる不可思議な事件の数々に係わっていく。終末監獄を舞台に奇想と逆説が横溢する、渾身の本格ミステリ連作集。第16回本格ミステリ大賞受賞作。
鳥の研究室・宝満研に所属する大学4年の野鳥翼。平凡な大学生の彼の周りでは、ちょっと不思議な事件が巻き起こる。鳥たちもまきこんで、へっぽこな推理を繰り広げる翼。そんな中、彼の片思い中の先輩・室見春香が突然姿を消してー。個性豊かなキャラクターが繰り広げる、鳥多め、ユーモアミステリ!
高知の漁村に取材で立ち寄った、植物カメラマンの猫田夏美。彼女はひょんなことから、当地の新宗教組織の施設に宿泊することとなる。その新宗教は、サメを神とする、一風変わった教団だった。 だが、宿泊中に、教団の教祖が惨殺され……!? <観察者>にして、生物探偵・鳶山は、教団の秘密と、殺人事件の謎を解き明かせるのか!?
綾鹿科学大学大学院准教授・増田米尊は異変に気づきつつあった。何人もの女性から言い寄られるなどなかったことだ。発表用の論文が書いた記憶のない小説に入れ替わっていたり、何者かに監視されているようだったりと、とにかくこれまでと違うのだ。増田はもちまえの学者魂から真相を探るのだが…
世界各国から集められた死刑囚を収容する、ジャリーミスタン終末監獄。親殺しの罪で収監されたアラン青年は、“監獄の牢名主”と呼ばれる老人シュルツと出会う。明晰な頭脳を持つシュルツの助手となって、監獄内の事件の捜査に携わるアラン。死刑執行前夜、なぜ囚人は密室状態の独房で斬殺されたのか?どうして囚人は闇夜ではなく、人目につく満月の夜に脱獄したのか?そして、アランが罪に問われた殺人事件の真相とは…。死刑囚の青年と老人が遭遇する、摩訶不思議な事件の数々。終末監獄を舞台に奇想と逆説が横溢する、著者渾身の本格ミステリ。
一度スイッチが入ると妄想の世界に旅立ってしまう奇癖を持つ、警視庁捜査一課所属、宮藤希美。“オヤジ好き”のイケメンと希美をライバル視する甲賀忍者の末裔、新たに加わった個性的な後輩たちとともに、3人の数学教師の失踪、3枚の天狗面を被った犯人たちによる誘拐事件、そして、ゴミ屋敷から発見された状態の異なる3つの死体…“3”ずくめの奇怪な事件を、得意のイマジネーションで華麗に解決する(はず)!
警視庁捜査一課所属・宮藤希美には奇癖があった。スイッチが入ると、ところかまわず妄想の世界に没入してしまうのだ。だが、これが謎のバーテン・御園生独にかかると、なぜか辻褄のあった推理に翻訳され…?
植物写真家・猫田夏海が訪れた岩手県の寒村に住む滝上家は、代々“イヅナサマ”を操り託宣を下す霊能力を持つという。満月の山中、夏海は滝上家の一人娘・沙姫の憑依現象を目撃する。その翌日、祈祷堂で刺殺死体が奇妙な書き置きとともに発見された!生物に知悉した先輩ライターの鳶山が調査に乗り出すが…。二人が出合う、様々な憑依の不思議を“観察者”の論理が斬る!鬼才・鳥飼否宇が描く、本格「憑き物」ミステリ。「幽き声」他三編を収録。
ロンドン五輪予選を兼ねた福岡国際マラソン2011。スタートラインに立つ選手にはそれぞれの人生があった。自己中心的で常に周囲と摩擦を起こす優勝候補の小笠原、アイドル的風貌の人気ランナー二階堂、地元福岡出身の谷口、一般参加で野心家の岡村、在日韓国人ランナーの洪、その同僚でペースメーカーながら何かを胸に秘める市川、そして偶然にも高校の同僚を先導することになった白バイ警官の長田。白熱するレースの中、徐々に明らかになる彼らをめぐる高校時代の事件とは。ノンストップで展開する陸上ミステリー。解説は福岡国際マラソンV4の瀬古利彦氏。
暗雲立ち込める山中のサナトリウムの前に、20年前解散した伝説的ロックバンド鉄拳の元メンバーが集結した。薬物依存症で脱退し、闘病の末亡くなった天才ギタリスト・ルビー。その遺体は即日荼毘に付され、形見の紙片には暗号めいた文字が記されていた。ルビーの死に不審を抱いたメンバーたちは真実を追って病院の門扉を叩く。それが新たな崩壊への序曲だとも知らず…迫りくる嵐が呼ぶ衝撃の結末とはー。
奄美大島の海岸に流れ着いた一枚のフロッピー。そこに記されていたのは奇怪な日記だった。ある大学のサークル一行が古文書を元に、人魚や朱雀、仙人が現れるという伝説の島“沙留覇島”へ渡った調査記録だった。だが、日記の最後に記されていたのは、殺人事件を告げるSOS-フロッピーを拾った写真家の猫田は警察へ届け、大規模な捜索が行われるが、それと思しき島には誰一人いない。猫田は幻の島探しに乗り出すが…絶海の孤島を舞台にした、驚天動地の本格+ネイチャーミステリ。