著者 : 鴨井なぎ
“あなたを見ると、ママを思い出します。ママは天国にいます。弟もじきママのところに行くので、その前にあなたに会いたがっています”子供たちのアイドル“ストーリー・プリンセス”を演じるドミナイは、ファンから大量に寄せられた手紙の中の1通に心を動かされた。不幸な幼い兄弟にすっかり同情し、彼らを共演企画へ招くことにするが、そう決めた理由はじつはほかにもあった。“パパはあなたをB級女優だと言います”というくだりにひっかかり、誤解を解きたかったのだ。楽しい思い出を作れたら、誤解も解けるはず。共演を来週に控えたある日、ジャロッドと名乗る魅力的な男性が現れた。一目で惹かれたドミナイは驚いた。彼が、あの手紙の“パパ”だと知って!
ファーストクラス?エコノミーで予約したはずなのに。休暇旅行へ向かうために訪れた空港で、イーデンは眉をひそめた。そこへ、デザイナースーツを着こなした高身長の男性が現れるースレイド!先日、私の昇進を阻んだ傲慢社長…。病気の母を楽にさせたい一心で仕事を頑張りたいだけなのに、彼は私のことを、野心ばかりが先走った未熟者だと思っているのだ。その彼がなぜここに?まさか、私の休暇を取り消すつもり?頭が混乱したまま、イーデンは豪奢な出発ラウンジへといざなわれ、スレイドから彼が彼女の予約を変更した驚きの理由を聞かされる!「これから何日か、ぼくの妻になってほしいんだ」
せっかくのパーティなのに、エドニーは少しも楽しめなかった。エスコート役を頼んだ知人にしつこく言い寄られ、あまり事を荒立てないよう拒絶するのに四苦八苦していた。とうとう強引にキスされそうになったとき、どこからともなく現れた男性がエドニーを救い出してくれた。長身で黒い髪、黒い目、洗練された雰囲気ー彼はエドニーを家へ送り届けると、慰めるような優しいキスをした。なんだか夢みたいだったわ…。翌週、転職先のオフィスで、エドニーは思いがけずあの男性の名前を知った。サヴィル・クレイソーンー彼こそ、エドニーの新しいボスだった。