著者 : 鹿条シキ
物騒な家族&最悪な教師愛すべき悪魔たちと心あたたまる日常をーー 空白の祝祭が明けて新年を迎えたベリアルド領。シェリエルはディディエとセルジオとともに北部の森へ向けて旅をしていた。 魔法世界7年目にして初めて城を出ることとなったシェリエルだが、移動中は領民の反応に驚いたり、時たま姿を見せるユリウスから魔法の授業を受けたり、魔法陣の解析を行ったりと退屈しない時間を過ごす。 そうしてやってきたのはベリアルド領外の観光地。訪れた目的はシェリエルの誕生日祝いだったはずがーー予想外の展開が待ち構えていた。 それにより国内の奴隷事情を知ったシェリエルは、何もできなかった過去を思い出すことに……。 その後、ひとりの奴隷志願者サラとの出会いをきっかけに、ベリアルド領内にあるクレイラという町に向かうシェリエルたち。 サラは“竜の守人”と呼ばれるクレイラ家の令嬢だったが、望まない政略結婚を強いられ逃げてきたらしくーー?
武器は前世の記憶と未来の夢ーー 「シェリエル・ベリアルド、貴様との婚約は今日をもって破棄する」 シェリエルは婚約破棄され破滅する未来を夢で見る、ちょっと変わった赤ちゃん奴隷。 繰り返し夢を見ていたある時、前世が現代日本で生きたプログラマーだったことを思い出す! 二つの人生を知り年齢に見合わぬ知能を手に入れたシェリエルはその後、夢で見た通り『ベリアルド侯爵家』に引き取られることにーー。 ベリアルド家は類稀な才能をもつ一方、共感力や罪悪感が欠落しており「悪魔」と呼ばれる一族だった。 彼らはシェリエルに対しても興味がない様子だったが、破滅を回避するためには彼らとの関係改善が必要不可欠。 悩んだシェリエルは未来の夢と前世の記憶を駆使して、少しずつ彼らとの距離を縮めていく。 そうして家族になってきた頃、シェリエルは魔法を使うための洗礼をうけることに。 しかし、その洗礼でシェリエルの持つ異質性が明らかになりーー?