著者 : 黒崎江治
滴水古書堂の名状しがたき事件簿 眠れぬ人の夢滴水古書堂の名状しがたき事件簿 眠れぬ人の夢
大学卒業直前に、横浜にある「滴水古書堂」という不思議な古本屋でアルバイトを始めた「私」こと楠田由宇子。友人が事故に遭い、その原因は、彼女が見る不思議な夢にあるようだ。その日から、由宇子も古書堂店主の古戸時久も「白い街」の夢を見るようになる。二人は古戸の知人で、オカルト情報サイトの運営者である藤安那とともに、同じ夢が原因と疑われる事件が多発しているという湘南に調査に赴くが…。表題作「眠れぬ人の夢」を含む全4編を収録。
滴水古書堂の名状しがたき事件簿 1滴水古書堂の名状しがたき事件簿 1
大学卒業を控え、進学も就職も選べなかった「私」こと楠田由宇子は「滴水古書堂」という古本屋の店主の古戸時久と知り合う。古戸は右半身にあたる部分がなぜか時折奇怪に蠢き、まさに「名状しがたい」動作をする男だった。店が取り扱う商品に漫画やベストセラーなどは一切なく、普通の流通から弾き出されたような奇妙なものばかり。しかし、店の空気に不思議な縁を感じた由宇子はそこで働くことにしたのだった。そんなある日、一本の電話が店にかかってくる。なんでも、古戸の師匠のような老婆からの依頼だという。由宇子は古戸とともに鎌倉に向かうのだが、それは奇妙な事件のほんの小さな入り口に過ぎなかった。
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