著者 : A.E.ホッチナー
パパ・ヘミングウェイ(上)パパ・ヘミングウェイ(上)
雑誌〈コズモポリタン〉の仕事で、著者ホッチナーが世界的な文豪アーチスト・ヘミングウェイにはじめて会ったのは、1948年、ハバナのバー〈フロリディタ〉だつた。フローズン・ダイキリをしたたか飲み、2人の14年にわたるつき合いが始まった。メキシコ湾での釣り、パリはオートゥイユの競馬、そしてスペインの闘牛場めぐり…愉しい時が続いたが、それは1961年、ヘミングウェイの猟銃による自殺で終わりを告げたのだった。車中で、船上で、酒場で語られたヘミングウェイ自身の言葉をもとに、文豪の素顔と死にいたる日々を描いた衝撃の伝記。
パパ・ヘミングウェイ(下)パパ・ヘミングウェイ(下)
熊と会話する方法を語り、自作の映画化作品をこきおろし、フイッツジェラルドやディートリッヒの思い出に笑う。ときには文学を志す者に真摯な助言をあたえ、また冒険と人生の意味を説く。“パパ”と呼ばれ、敬愛された彼の言葉は、いつも人を魅きつける力に溢れていた。しかし、アフリカでの2度の飛行機事故と、ノーベル賞の受賞騒ぎをさかいに、彼の身体と精神は徐々にバランスを崩していく。疑いと苛立ち。「もう書けない」という恐れ。入院。…弱さを背負った偉大な作家の生と死を、克明に、そして、かぎりない情愛をこめて浮彫りにする。
PREV1NEXT