著者 : J・G・バラード
日中戦争中の上海。日英間の開戦を機に日本軍が上海のイギリス租界を制圧し、少年ジムは避難民の大混乱のなか両親とはぐれてしまう。独りぼっちになったジムは混乱する都市を彷徨う中、ほかのイギリス人とともに日本軍によって龍華捕虜収容所へ送られる。信用できる大人も庇護もないまま、飢餓、病、孤独、絶望に晒されながら、ジムは生と死の本質を学んでいくーースピルバーグによる映画化で知られる、二十世紀の歴史に名を刻むバラードの代表作を新訳決定版で贈る。
首謀者不明の上、犯行声明さえなかったヒースロー空港での爆発テロで、精神科医デーヴィットの前妻ローラは死亡した。その無作為的な死に衝撃を受けたデーヴィットは、様々な反体制活動に潜入し、空港のテロの首謀者を捜し始める。やがて組織の一員である女ケイと出会い、すべてを操る小児科医グールドとも奇妙な友情を築くが、それは中産階級者の聖地チェルシー・マリーナを実験場とした壮大な計画の始まりに過ぎなかった。
22世紀のある日、探険隊を乗せた船はイギリスを出港し、崩壊し砂漠と化した合衆国のマンハッタン島に、一世ぶりに上陸した。密航者の青年は、自分がこの国の新たな支配者、第45代大統領となることを夢見るが……。生存者の残る諸都市を探訪し、アメリカの夢と悪夢の残滓と邂逅した探険隊の記録を通じて、予言者バラードが辛辣に描き出す、強烈な未来像。ネットフリックスで映像化決定!(『22世紀のコロンブス』を改題・文庫化)
『結晶世界』『ハイ・ライズ』などの傑作群で、叙事的な文体で20世紀SFに独自の境地を拓いた鬼才の全短編を五巻に集成。最終巻には短編集『第三次世界大戦秘史』、Myths of the Near Futureの収録作を中心に、本邦初訳作を多数含む24編を治める。
『結晶世界』『ハイ・ライズ』などの傑作群で、叙事的な文体で20世紀SFに独自の境地を拓いた鬼才の全短編を五巻に集成。第四巻には自伝的要素が色濃く投影された本邦初訳作「Dead Time」や発表時に多大な衝撃をもたらした濃縮小説「下り坂カーレースにみたてたジョン・フィッツジェラルド・ケネディ暗殺事件」など21篇を収録。
『結晶世界』『ハイ・ライズ』などの傑作群で、20世紀SFに独自の境地を拓いた鬼才の全短編を五巻に集成。第三巻はサイエンス・フィクションを文芸的手法を用いて、小説に新たな次元を切り開いた濃縮小説(コンデンスト・ノヴェル)の代表作「終着の浜辺」、本邦初訳となる「光り輝く男」など20編を収める。