著者 : K.W.ジーター
地球をめぐる巨大な軌道スタジオに再現されたLAのセットで、レプリカントとブレードランナーのデッカードの死闘が撮影されていた。だが、みずからの伝記映画のアドバイザーとして撮影に立ち合っていたデッカードの目の前で、敵を演じていたレプリカントが本当に射殺されてしまった!やがて、謎のブリーフケースを受け取ったデッカードは、レプリカントの反乱をめぐる複雑怪奇な陰謀の渦中へとまきこまれていくが…。
デッカードは愕然とした。外星から地球へ逃亡してきたレプリカントは六人いて、五人は死んだが、あと一人がまだ生きている。そのレプリカントをさがしだして処分してほしいというのだー愛するレイチェルそっくりの女性、タイレル社の総帥サラ・タイレルの依頼をうけ、デッカードは逃亡レプリカントを命がけで捜索しはじめるが…P・K・ディック原作、R・スコット監督の映画『ブレードランナー』の待望の続篇登場。
「大戦」後、過去の歴史がほとんど失われてしまった遙かな未来、人々は「シリンダー」と呼ばれる巨大なビルディングの内側の水平な床や外側の壁で暮らしていた。上下にどこまでも続く外側の垂直世界では、いくつかの軍事部族が活動している。部族同士で略奪や戦争をして金儲けをするのだ。そうした軍事部族に戦士の飾りや軍用アイコンを提供する意匠師アクセクターの波瀾に満ちた冒険をいきいきと描きだす活題の長篇SF。
タイラーは別れた妻から、誘拐された息子ブライアンを取り戻してほしいと頼まれた。だが、息子は生まれて一年とたたないうちに死んだはず。かつて二人がいた狂信的な殺人者集団「ワイル・グループ」が使っていたドラッグのせいで、妻は錯乱状態なのか、それとも…?調査を始めたタイラーは、やがて精神共有作用をもつドラッグにより悪夢と現実の狭間へと踏みこんでいく…。
深い闇に包まれた夜の森の中で、忌わしき惨劇に見舞われた美しい少女ディー。それ以来、彼女の幼い心は、夜ごと訪れる悪夢に苛まれ続けていた。どこからか聞こえてくる“声”が「父親を殺せ」と囁くのだ。愛する娘の異変に気づいたブリーマーは、彼女の精神を支配しようとする邪悪な力と対決すべく、ついに銃を握ったが…。P・K・ディックの絶賛を浴びて登場した鬼才が、圧倒的な筆力で描破する恐怖と異常世界。
大戦の余波で、地球の環境は激変していた。苛酷な気候となったアメリカ。軍事衛星の監視するその荒野を特別仕様車で走り、命がけで禁制のハイテク部品を闇市に運ぶ、それが“スプリンタ”だ。彼らの冒険の一部始終はヴィデオに撮られ、衛星放送で全世界に流されている。だがスプリンタのひとりスカイラーは、その裏にうごめく巨大な陰謀の存在に気づいた…。華麗なスタイルで衝撃の近未来ヴィジョンを呈示するSF問題作。
ロサンジェルスの暗黒街に君臨する悪徳外科医ドクター・アダー。その華麗なメスから生まれる奇抜で醜悪な肉体改変が、この街を肉欲と悪徳の都に変えた!一方アダーを敵視する一派も勢力を拡大している。そしていま、アダーにひとりの客が訪れたーアメゾナの養鶏場で働く青年リミットが携えてきた伝説のハイテク武器は、この戦いの様相を一変させるが…SF史上最も危険な傑作登場!
ネオンと強烈なリズムが闇を引き裂く街ウェッジ。この街で離婚したグラフィックデザイナーのターナーはマイクルを知った。逞しい筋肉、肉食獣のような身ごなし。彼の獲物は危険な歓びを求める女たちだ。マイクルは女たちの望みをかなえてやるー彼なりのやり方で。いつしかターナーも彼と血の快楽を分けあうようになっていた。だがマイクルが本当に求める女はただ一人、彼と真に歓びを分かちあえる女。その運命の女がついに現われたとき、ターナーとマイクルは死を弄ぶ危険なゲームに巻きこまれてゆく。鬼才が放つ新感覚のサイコ・サスペンス。
不肖の息子とはよくいったもので、ダウアーは天才発明家だった父の築いた評判を落とすことしか能のない時計職人だった。この出来の悪い男の店に、ある日、黒い肌の怪人物が出現。父の作った得体の知れぬ科学機械を修繕してほしいという。しかし前金として銀貨を置いていったが、これがまた男の容貌にひけを取らぬほど奇妙な代物。あまつさえ、この仕事を引き受けたことから、ダウアーの身辺の奇怪な事件が起こり始めた!霧と煤煙にけぶるヴィクトリア朝の英国を舞台に奇人・怪人・狂人、果ては海底人までが暴れまわるスチームパンクの傑作。