著者 : cadet
「君が夢を叶えるための、力になりたい」ノゾムは、故郷を発つ前に交わしたリサとの約束を果たすことができなかった。そんな状況を裏で作り出していたのは、もう一人の幼馴染、ケンだった…。残酷な事実を突きつけられたノゾム。滅龍王ティアマットの干渉も日ごとに増していく中、それでも冷静でいられるのは、ずっとそばにいてくれた仲間がいるから。-大事なのは不安を消すことじゃない。抱えたまま、それでも前へ進むこと。ノゾムは亡き師匠の墓標に決意を誓う。そしてすべてに決着をつけるべく、ケンとの最終決戦の地へ向かうー!足りないのは、自信か、力か。-これは心の歩みを止めた少年が、未来へ進む物語。圧倒的王道青春ファンタジー、完結。
『異形の魔獣』を打ち倒しエルフの少女シーナと心を通わせたノゾムは、彼女が目撃したリサ達の行動について教えられ、気づこうとしなかった何かに気づく。「二年前のことで話がしたい」真実を明らかにするため、ノゾムは黄昏時のスパシムの森にリサを呼び出すが…そこにいたのは彼女の現在の恋人ケン・ノーティスだった。「…なんで、こんなことをした?」全てを知っているはずのかつての友に自分が掴んだ真相を告げるノゾム。しかしリサに歪んだ愛情を抱くケンは鬼のような形相を浮かべ、「お前の存在を認めるわけにはいかない…!」蔑みを憎悪に変えた剣を振りかざしノゾムに襲いかかるー!足りないのは、自信か、力か。-これは心の歩みを止めた少年が、仲間の手を取り覚悟を決める物語。
滅龍王ティアマットーその精霊を体に取りこみ、龍殺しとなったノゾム。しかし、絶大な力は自身のアビリティ“能力抑圧”で抑えられていたため、周囲からの評価は相変わらず低いまま…。しかし、アイリスやティマ、マルスと穏やかな時間を過ごすことで、ノゾムは傷ついた心が和らいでいくのを感じていた。そんなある日、冒険者ギルドでエルフの少女、シーナと出会う。家族を失い、精霊の加護を失い、笑顔を失った彼女。周囲から蔑まれながらも、果てのない努力を続け、もがき続けるその姿にノゾムは自分を重ね合わせるのだが…。(ああ、そうか…。彼女はまだ、折れていないのか…)彼女の瞳に宿る、強い意志。自分と異なるそれを見るたびに、停滞していたノゾムの心は大きく揺さぶられていくー!足りないのは、自信か、力かーこれは心の歩みを止めた少年が、最初の一歩を踏み出す物語。