著者 : yoco
父親の罪を背負い、身を粉にして働く狐獣人のコガネは、ある時、目の見えない猫獣人の子供を助けた。身寄りがなく記憶喪失の黒猫を「クロ」と名付け、コガネはクロを大切に育てる。クロは賢く美しい少年で、コガネはクロを学校に入学させるため目の手術を受けさせようとする。だが手術費用はあまりにも膨大だった。絶望するコガネに、医師スオウはある取引を持ちかける。たとえどのような犠牲を払ってもクロのためなら何でもしたいと願うコガネは取引に応じ、クロを王都の学校へと送り出す。離れ離れになって数年後、クロが貴族の落胤だと判明し…?
『キットとパーシー』に登場した男女キャラクターによるヒストリカルクィアロマンス。 18世紀のロンドンを舞台に、異性との恋愛にトラウマを持つ公爵夫人・マリアンと、彼女を脅迫する男・ロブが惹かれ合っていく様子を描く。 【あらすじ】 キットとパーシーによる強盗計画が失敗に終わったその夜。 夫を銃で撃った公爵夫人ーーマリアン・ヘイズは、今の自分が唯一頼ることのできる相手であり自分を脅迫してきた張本人でもある赤毛の男ーーロブ・ブルックスを連れ、ロンドンをあとにする。 脅迫する者とされる者。 いびつな形で始まった関係だったが、旅をするうちに少しずつ二人は互いに心を交わしていく。 しかしマリアンには、異性と関係を持つことにある懸念があり……。
かつてイングランドを股にかける大強盗として名を馳せていたキット・ウェブ。今はしがないコーヒーハウスの店主として平凡な日々を過ごすキットの元に、ある日、パーシーと名乗る美しい紳士が訪ねてくる。 「仕事を依頼したい」 退屈で物足りないキットの毎日に突如舞い込んだ強盗計画。待ち望んでいたスリルと平和な日常との間で葛藤するキットに、パーシーはあきらめることなく何度も誘惑を繰り返す。逢瀬を重ねるうち、二人は互いに惹かれ始め……。 美しくも奔放な貴族と元強盗のコーヒーハウス店主。別世界を生きていた二人が織り成す、ヒストリカルボーイズラブロマンス。
「殺されるなら、あなたがいいーーー」 竜族の最後の生き残りルートヴィヒは、いつか人間の伴侶を持ち、平和に生きることを夢見ながら、ガーネ山の洞窟で両親の残した宝石を糧に身を隠すように暮らしていた。 宝石の守り神であり、その体液はすべて宝石になる神秘の存在としてガーネリア国の信仰の対象だった竜族は、いつしかその神聖性を失い、大きな戦争を機に、厄介で滅ぶべき存在と思われるようになっていたからだ。 ところが絶対に人間に知られるはずがない神聖な竜の棲み処に、ある日見知らぬ男が現れる。 警戒心をもたないルートヴィヒは、人間と初めて出会えた喜びに舞い上がりもてなそうとするが、その男・エリックは対照的に、自分の家族を奪った竜族を憎んでいると言い放ちーーー。 復讐の炎を燃やす義賊×無垢で一途な竜の純愛ファンタジー! 2022年6月刊