ジャンル : ミステリー・サスペンス
若者たちを殺したのはグレン・ゲイシュの民なのか。疑惑を胸に、族長と評議会との折衝に臨むフィデルマ。だが折衝は難航し、共に族長の城砦に滞在していたローマ派の修道士が殺された。容疑者はフィデルマ。死体を調べようとかがみ込んだところを兵士に見つかり、犯人と思われ拘束されてしまったのだ。頼れるのはエイダルフと自らの知力のみ。この窮地を如何にして脱するのか?
オロバジェ国の第二王女エリサは、祖国の倍もある砂漠の国ホヤ・ド・アレナの王に嫁ぐことになった。初めて会った夫は素敵で優しく、食いしんぼうで飽きっぽいだけのエリサは、ひそかに心をときめかす。だが嫁ぎ先の国に着くと、何かがおかしかった。神に選ばれし者、ゴッド・ストーンを帯びた王女の波乱の運命を描く、パオロ・バチガルピ氏激賞の異世界ファンタジー三部作開幕。
警察署長ブルーノは友人のエルキュールからある問題の調査を依頼される。トリュフ市に粗悪な中国産トリュフが紛れ込んでいるというのだ。だが聞き込みを始めた矢先、エルキュールが何者かに殺害される。彼はかつて情報部に所属する伝説の秘密警察官だった。犯人はその過去を知っていたのか?圧巻の取材力と緻密な構成、そして驚愕の真相。ベテランジャーナリストが放つ傑作!
探偵二人にある家で一晩泊まってほしいという、簡単だが奇妙な依頼。指示された家に向かったスタンリーとケンウッドに家人は何も説明せず、二人は酒を飲んで寝てしまう。未明に大きな物音で目覚めた二人が目にしたのは、凄惨な殺人現場だった。罠なのか?警察を連れて現場に戻ると、死体が消失していた!?大胆かつ奇妙な事件の謎を大幅改稿で贈る、第二十回鮎川哲也賞受賞作。
パリの予審判事アンリ・バンコランは、剣の名手と名高いサリニー公爵の依頼をうけ、彼と新妻をつけねらう人物から護るために深夜のナイトクラブを訪れる。だが、バンコランと刑事が出入口を見張るカード室で、公爵は首を切断されていた。怪奇趣味、不可能犯罪、そして密室。カーの著作を彩る魅惑の要素が全て詰まった、探偵小説黄金期の本格派を代表する巨匠の華々して出発点。
ストックホルム市庁舎で開かれていたノーベル賞晩餐会で、何者かが発砲した。受賞者は重傷、一緒に踊っていた選考委員会の事務局長は即死だった。女性新聞記者アニカは、狙撃の際もっとも近いところにいたにもかかわらず、スクープをものにするどころか、警察から情報開示の禁止を言い渡されてしまう。華やかなノーベル賞の陰に何が?スウェーデン・ミステリの女王の代表作。
狙撃者は黄色の目を持つ女。アニカは殺された選考委員会の事務局長キャロリーンの死の瞬間が忘れられなかった。事件を目撃していながら、記事にできないジレンマ。新聞社から休職を言い渡された彼女は、ひとり選考委員会のあるカロリンスカ研究所を調べ始める。委員会のメンバー同士の確執、そして学生の不審死。ジャーナリストでもある著者が、ノーベル賞選考の舞台裏に迫る傑作。
砂漠を行くキャラバンを襲った連続殺人、スペインの風車の丘で繰り広げられる推理合戦…ひとりの青年が世界各国で遭遇する、数々の異様な謎。選考委員を驚嘆させた第5回ミステリーズ!新人賞受賞作を巻頭に据え、美しいラストまで突き進む驚異の連作推理。各種年末ミステリ・ランキングの上位を席捲、本屋大賞にノミネートされるなど破格の評価を受けた大型新人のデビュー作。
映画にまつわるホラー作品を頼むーそんな編者スカウの呼びかけに応じた、ホラー界のスター作家たち。誰にも触れられていないのに突然体に傷がつくという怪異が映画監督を襲うウィルスンの傑作「カット」、青春の思い出が残るドライヴインシアターを再興した男を描く、ノスタルジックなウィリアムスンの「“彗星座”復活」など、怪作・傑作が満載の映画ホラー・アンソロジー!
ホラー映画のタイトルを交えながらストーリーが展開するウィンターの異色作「危険な話、あるいはスプラッタ小事典」、重大な決意をした女性の姿を異様な迫力で描くスキップの「スター誕生」、閉館した映画館で男が出逢う戦慄の体験を綴るキャンベルの「廃劇場の怪」。最高のホラー作家たちが生み出した、この世にあってはならない悪夢が集う、究極の映画ホラー・アンソロジー。
パリ発ロンドン行き、彫像在中ー荷揚げ中に破損した樽に疑惑を抱いた海運会社の社員がバーンリー警部を伴って船に戻ると、樽は忽然と消えていた。紆余曲折を経て回収された樽から出てきたのは女性の遺体。何らかの事実が判明するたび謎が深まり、ドーヴァー海峡を往き来した樽は英仏の警察官、弁護士、そして私立探偵を翻弄する。永遠の光輝を放つ奇蹟の探偵小説、新訳成る。
西アイスランドの美しいフィヨルドの湾に浮かぶフラテイ島。その島からアザラシ猟のため無人島に上陸した少年が見つけたのは、死後かなり経過した男性の死体だった。死体のポケットには、意味不明の言葉が書かれた紙切れが、伝承を集めた『フラテイの書』に隠された、災いをもたらす暗号の鍵なのか。“ガラスの鑑賞”候補作。アイスランドの島を舞台にした癒やしの北欧ミステリ。
鉄道事故で“死亡”した元オペラ歌手アイリーン・アドラーは、夫や親友とパリ郊外の村で静かに暮らしていた。だが、持ち前の好奇心が、ふたたび彼女を冒険と推理の旅へといざなう。花の都で起きたいくつもの事件に現れる入れ墨の謎を追って訪れたモンテカルロの地では、同じ事件を追う名探偵ホームズとの再会が待っていた…。稀代のヒロインによるヴィクトリア朝ミステリ第2弾。
精神病院で受けた絵画療法によって絵の才能が開花した青年を巡る、病院関係者たちの心の闇を書簡形式で綴るミステリ「火焔樹の下で」、隣室をのぞき見た孤独な娘を誘う異様な遊戯とその結末を語る「密室遊戯」のほか、初文庫化に際し、閉鎖的な地方に生きる少年少女の倦怠と残酷を幻視的な筆致で描き出した「バック・ミラー」など3篇の単行本未収録作を附した16篇を収める。
地の民を治療する医術の匠を目指すことにしたダグは、“新月湖”駐留地に基礎継ぎの匠がいるとの噂を聞いたフォーンに勧められ、教えを乞おうと決意する。果たして湖の民と地の民の夫婦は歓迎してもらえるのか?弟子入りを志願してきたダグに基礎継ぎの匠は戸惑いを隠せない。ふたつの民族の融和に奔走するダグとフォーンの奮闘を描く、ビジョルドのファンタジー四部作完結。
“新月湖”駐留地の基礎継ぎの匠への弟子入りを許されたダグ。妻のフォーンも元警邏員の若者たちも、安住の地を見いだしたかにみえた。だが地の民の子どもをダグが治療したことから、再び駐留地を出て行く羽目に。驚いたことに師となった基礎継ぎも一緒に来てしまう。平和な旅も束の間、一行の前に悪鬼の影が。数少ない警邏員で、恐ろしい悪鬼に立ち向かうことができるのか。
夏の天使よ、お前を殺しはしない。甦らせるだけだ。それとも、本当に殺そうか。愛を再生させるために…。燃え上がるような夏。公園で一人の少女が保護された。傷だらけなのに全身が清潔で真っ白。事件当時の記憶はない。記録的な暑さのもと、リンショーピン市警犯罪捜査課のモーリン・フォシュは不吉な予感に苛まれていた。スウェーデンミステリ界を震撼させたシリーズ第二弾。