ジャンル : ミステリー・サスペンス
住宅建設地で発見された、人間の肋骨の一部。事件にしろ、事故にしろ、どう見ても最近埋められたものではない。現場近くにはかつてサマーハウスがあり、付近にはイギリス軍やアメリカ軍のバラックもあったらしい。住民の証言の端々に現れる緑の服の女。数十年のあいだ封印されていた哀しい事件が、捜査官エーレンデュルの手で明らかになる。CWAゴールドダガー賞/ガラスの鍵賞同時受賞。究極の北欧ミステリ。
マーティンの生業は泥棒。といっても、窓ガラスを壊したり家を荒らしたりはしない。盗みに入る家を慎重に選び、住人の外出時間や周囲の環境を徹底的に調べて“お得意”を決め、泥棒が入ったことに気づかれないように食料品や宝石などを盗んでいるのだ。だがある日、とんでもない“事件”が発生してしまい…。とびきり几帳面な愛すべき青年の活躍(?)を描くお仕事ミステリ!
ここ最近、妹ハンナの三度目となる結婚式の準備にかかりきりのソフィ。新郎には秘密があるようだし、いちいち張り合ってくるナターシャとの共同作業も気が重い。加えて当の妹が結婚しないと言いだすわ、突然現れた新郎の元妻がナターシャの家で死体となって発見されるわと、トラブル続出。はたしてソフィは式を無事に取りしきれるのか?“家事アドバイザーの事件簿”第2弾。
第64回日本推理作家協会賞長編および連作短編集部門受賞 自然の要塞であったはずの島で、偉大なるソロンの領主は暗殺騎士の魔術に斃れた。〈走狗(ミニオン)〉候補の八人の容疑者、沈められた封印の鐘、塔上の牢から忽然と消えた不死の青年──そして、甦った「呪われたデーン人」の襲来はいつ? 魔術や呪いが跋扈する世界の中で、推理の力は果たして真相に辿り着くことができるのか? 第64回日本推理作家協会賞を受賞した、瞠目の本格推理巨編。
大阪で探偵事務所を開業する元警視庁捜査一課刑事の田辺淳に若い未亡人と寝台特急「あかつき3号」で佐世保まで行ってほしいという依頼が舞い込む。だが、田辺を待っていたのは黒い罠。佐賀、東京で起きた殺人事件の被疑者にされたのだ。巧妙なトリックでピンチに陥った元部下を十津川は救い出せるか!?
空襲が迫るロンドン。この街で1年余りを過ごしたアメリカ育ちのわたしに、チャーチル首相の秘書としてタイピストにならないかという話が舞い込んでくる。自らの能力に見合った職ではないことに苛立ちを感じながらも、わたしはその申し出を受け入れた。首相官邸をめぐるいくつもの謀略が待ち構えていることなど知るはずもなく。才気煥発なマギーの活躍を描く、魅力のシリーズ開幕編。
寒風が肌を刺す1月、デントン署管内はさながら犯罪見本市と化していた。幼い少女が行方不明になり、売春婦が次々に殺され、ショットガン強盗にフーリガンの一団、“怪盗枕カヴァー”といった傍迷惑な輩が好き勝手に暴れる始末。われらが名物親爺フロスト警部は、とことん無能な部下に手を焼きつつ、人手不足の影響でまたも休みなしの活動を強いられる…。大人気警察小説第5弾。
冬のデントン市内で起きた事件の数々は、大半が未解決のままだった。少女誘拐の容疑者は不在となり、売春婦を狙う殺人犯はいまだ野放し。マレット署長の小言には無視を決め込み、モーガン刑事の相次ぐ失態はごまかしてきたが、それも限界だ。どでかい失策に州警察本部の調査が入るわ、“超能力者”が押しかけるわでデントン署は機能不全の瀬戸際、フロスト警部もついに降参か!?
探偵学校の卒業生のもとに、校長の別荘での同窓会の案内状が届いた。吊橋でのみ外界とつながる会場にたどり着いた彼らが発見したのは、意外な人物の死体。さらに、吊橋が爆破されて孤立してしまった彼らを、不気味な殺人予告の手紙が待ち受けていたー。密室などの不可能状況で殺されていく卒業生たち、錯綜する過去と現在の事件の秘密。雪の山荘版『そして誰もいなくなった』!
空軍基地跡地の燃料貯蔵槽から人骨が発見された。検死の結果、11年前の連続少女殺害事件の被害者だと判明。折しも、犯人として逮捕された男が刑期を終え、故郷に戻っていた。彼は冤罪だと主張していたが村人たちに受け入れられず、暴力をふるわれ、母親まで歩道橋から突き落とされてしまう。捜査にあたる刑事オリヴァーとピア。人間のおぞましさと魅力を描いた衝撃の警察小説!
緊迫感ある展開と思わぬ落着を特徴とする作品を“サスペンス篇”として集成した文庫版全集第三巻には、出所した殺人犯を待ちうける異様な運命の悪戯を描き、探偵作家クラブ賞に輝いた表題作ほか、単行本未収録であった私立探偵ソリーの事件簿2篇、西部劇のノヴェライズ「ヴェラクルス」など18の短篇に、著者自身による作品解題・書評等を併載する。
恐るべき力を秘めた呪術品“アーリマンの心臓”を手に入れた黒魔術師は、その用法に熟達した大神官を3000年間の死から蘇生させた。彼の力で西方のアキロニア国を打ち倒すのだ。かの国の王は北の国から訪れた蛮族の子孫ーその名をコナンという。だが勇猛果敢をもって鳴るコナンさえ、大神官の妖術の前では虜囚となり果てた。逆襲はなるか?ハワードによるシリーズ唯一の長編!
邪悪な魔法使いが創り出した殺し屋たちの狡猾な攻撃に、“沈黙の魔法使い”アーゾウの軍は苦戦を強いられていた。アーゾウの創造物たちのなかでも、とりわけ優れた能力をもつ黒鷲獅子スカンドゥラノンは、新兵器を調べようと密かに敵の陣地に潜入するが…。はるか昔、伝説の“大魔法使い”アーゾウと宿敵マ=アルの戦いの物語が、そのヴェールを脱ぐ。“魔法戦争”三部作第一弾。
黒鷲獅子スカンドゥラノンは、ひとりで三頭もの敵を倒した小柄な雌鷲獅子ザニールの話を耳にする。彼女は小回りのきく身体と機敏な動きを生かして、普通では考えられないほど見事な戦法を編み出していたのだ。彼女は“沈黙の魔法使い”アーゾウが創り出した新種なのか?賢く柔軟なザニールに惹かれるスカンドゥラノンだったが、アーゾウの軍にはマ=アルの魔の手が迫っていた。
メンジーズ博物館の怪事件で顔を合わせて以来、わたしはモリス・クロウの捜査手法をつぶさに見てきた。事件は彼の持論をなぞるように起こり、また現場から犯罪の意図を読み取る術に長けているがゆえに、クロウは捜査官の手に余る難件をもたちどころに解決する。そのおかげでグリムズビー警部補は出世街道まっしぐら、今日もクロウへの橋渡しを頼みにわたしを訪ねてきたが…。
弁護士ボブが事務所でパートナーの死体を発見した。警察は自殺と判断したが、ボブはどうしても納得できず、ルーシーに調査を依頼。一方、元司書のミス・ティリーの九十歳の誕生日に町を挙げてのパーティを開くことが決まり、当然ルーシーもこき使われることに。思春期の娘や大けがをした夫の世話に、新聞記者の仕事、殺人事件の調査にパーティの準備、主婦探偵は今日も大忙し。
家庭では暮らせない子どもたちの施設・七海学園で起きる、不可思議な事件の数々。行き止まりの階段から夏の幻のように消えた新入生、少女が六人揃うと“七人目”が囁く暗闇のトンネル…子どもたちが遭遇した奇妙な事件を解明すべく、保育士の北沢春菜は日々奮闘する。過去と現在を繋ぐ六つの謎、そして全てを結ぶ七つ目の謎に隠された驚くべき真実。第18回鮎川哲也賞受賞作。
帰国子女の栄美は桜の美しさを楽しむ余裕もなく、不安いっぱいで日本の高校での初日を迎えた。幸いにも友達ができ、気になる男の子とも仲良くなれたものの、やがて辛い別れを経験することに…。時は流れ、大学生となった栄美の前に現れたある人との出会いをきっかけに、高校時代の思い出はまったく別の形を見せてゆくー。『慟哭』の著者が仕掛ける、忘れられない青春ミステリ。
超自然現象研究会が配布した“エリア51”の「市立七不思議」特集が影響を与えたのだろうか?突如休み時間に流れた、七不思議のひとつ「カシマレイコ」を呼び出す放送。そんな生徒はもちろん存在しない。さらに「口裂け女」「一階トイレの花子さん」の悪戯まで見つかった。なぜこの三つなのだろう…。調査を進めた葉山君は、ある真実に気づく。ますます快調な、シリーズ第五弾。