ミステリーの人間学
序 章 探偵小説の誕生
1 ミステリーと文学
2 探偵と探偵小説
3 人間をいかに描くか
第1章 心の闇を探る──チャールズ・ディケンズ
1 「ミステリー」としてのディケンズ文学 『バーナビー・ラッジ』
2 探偵の登場 『荒涼館』
3 犯罪者の肖像 『エドウィン・ドルードの謎』
第2章 被害者はこうしてつくられる──ウィルキー・コリンズ
1 抹殺される恐怖を描く 『白衣の女』
2 物的証拠と謎解き 『月長石』
第3章 世界一有名な探偵の登場──アーサー・コナン・ドイル
1 人間観察と推理 『緋色の研究』
2 哲学する探偵 「赤毛組合」「唇のねじれた男」「まだらの紐」ほか
3 なぜ人々は名探偵を切望するのか 『バスカヴィル家の犬』
第4章 トリックと人間性──G・K・チェスタトン
1 凡人探偵の登場 「青い十字架」「奇妙な足音」「飛ぶ星」ほか
2 単純な事実がもたらす謎 「折れた剣」「見えない男」「神の鉄槌」ほか
3 ブラウン神父の影 『木曜の男』『詩人と狂人たち』『ポンド氏の逆説』
第5章 暴かれるのは誰か──アガサ・クリスティー
1 解明のプロセスで起こること 『アクロイド殺し』ほか
2 人間を裁けるか 『オリエント急行殺人事件』ほか
3 誰かに似ている犯人 『火曜クラブ』ほか
終 章 英国ミステリーのその後──「人間学」の系譜
あとがき
主要参考文献