人間の條件 上
珍しく棉のような雪が静かに舞い降りる宵闇、一九四三年の満洲で梶と美千子の愛の物語がはじまる。植民地に生きる日本知識人の苦悶、良心と恐怖の葛藤、軍隊での暴力と屈辱、すべての愛と希望を濁流のように押し流す戦争…「魂の底揺れする迫力」と評された戦後文学の記念碑的傑作。
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人間の條件 中人間の條件 中
中国人労務者斬首に抵抗した梶は憲兵隊に捕われ、召集免除の特典を取り消された。軍隊内の過酷な秩序、初年兵に対する一方的な暴力、短い病院生活を経て梶はソ連国境に転戦。蛸壺に立てこもる日本兵にソ連戦車隊の轟音が迫る…消耗品として最前線に棄てられてなお人間であることの意味を問う戦後文学の巨編愈々佳境へ。 2005/02/16 発売