風塵の剣 (七)
身勝手な藩主と家老らにより、崩壊の危機にある河遠藩。貧困と悪政にあえぐ故郷の惨状を聞いた元藩士・小早川彦蔵は、藩の立て直しに奔走した亡き父の遺志を継ごうと決意した。帰郷し、藩の重要人物の暗殺計画を知った彦蔵は、皮肉なことに己の両親を斬殺した藩を救うため、剣を振るうこととなる。数奇な運命に立ち向かいながら人生を歩んだ彦蔵。彼が集大成とした絵に描かれていたものはー。大人気シリーズ、堂々完結!
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浅間山が大噴火した天明3年、ひとりの男児が生まれた。名は小早川彦蔵。幼いころ藩の謀略により両親を目前で殺されて以来、彦蔵は数奇な運命を辿ることとなる。藩への復讐を誓い、剣の腕を磨く彦蔵は、ある事件を契機に江戸へ赴くが、そこには数々の試練が待ち受けていた。宿命というべき自らの人生と真摯に向きあい苦しみ、だが懸命に生き抜く侍の姿を痛快に描く、著者新境地の書き下ろし時代小説、第1弾。 2013/02/23 発売
天涯孤独となった彦蔵は、藩への復讐心を抱きながら、生きるために剣術道場・凌宥館の副師範代となった。だが、幼い頃より好んで描いていた絵で身を立てられぬかとの考えも、頭をよぎる。そんな折、類い希なる剣の腕とまっすぐな性格を見込まれた彦蔵は、さる人物から密命を受けることとなるがー。恋仲だったおまきを描いた絵、そして驚くべき密命が、彦蔵の運命を大きく揺さぶる。著者渾身の書き下ろしシリーズ、第2弾。 2013/03/23 発売
根岸肥前守の発案で発足され、町奉行所で解決できなかった事案を改めて受け持つ「奉行組」。彦蔵は、その一員となることで生計を立てながら、絵の修業を続けていた。江戸随一の版元・蔦屋重三郎の紹介で歌川豊国に師事したものの、なかなか満足のゆく絵が描けない。そんな折に出会ったのが、東洲斎写楽だったー。幼きころの仇も姿を現し、彦蔵は運命の大きな流れに翻弄されてゆく。人気沸騰の書き下ろしシリーズ、第3弾。 2013/04/25 発売
文化4年、択捉島がオロシャの軍艦に襲撃されたころー彦蔵は、町奉行所で裁けぬ悪を成敗する「奉行組」の頭、根岸肥前守に近づく謎の男の存在を知る。男との出会いを機に思い知ったのは、異国の脅威、そして世界の中での日本の小ささ、弱さだった。修業中の絵のほうでは、版元の蔦屋重三郎から難題を与えられ苦悩することに…。大きな時代のうねりが、彦蔵を巻き込んでゆく。絶好調の書き下ろし時代小説、シリーズ第4弾。 2013/11/22 発売
「この国は変わらねばならない」西洋列強の力を知り、本多利明の音羽塾で学ぶにつれ、彦蔵はその思いを強くしていた。そんな折、本多の門弟が相次いで襲撃される。異国との交流をよしとする音羽塾を憎む者の仕業なのか?長崎への遊学を前に、密かに犯人捜しを始めるが…。塾生を狙う刺客。長崎の港に侵入する、イギリス軍艦フェートン号。次々と巻き起こる困難と脅威に、彦蔵は穀然と立ち向かう!激動のシリーズ第5弾! 2014/02/25 発売