マジシャン 最終版
手も触れずカネを倍にしてくれる男がいる! あやしげな噂に大規模な詐欺の臭いを嗅ぎつけた刑事・舛城は、天才的なマジックの才能を持つ少女・沙希の助けを借り捜査を始めた。舛白は防犯カメラがとらえた現場映像を入手。そこには確かに倍に増えていく札束の山が映っていた! いったいどんなトリックなのか? そして裏で進行する金融詐欺の真相は? スリリングかつリアルな知的頭脳戦の“最終形”が開幕!「完全版」を大幅改稿した「最終版」!
『マジシャン 最終版』は、続編『イリュージョン 最終版』と共に「再演」されるに当たり、マジックを題材にしたミステリーの妙味がブラッシュアップされ、時代性が約一〇年前から最新のものへと書き換えられただけでなく、社会における子供と大人の関係性というテーマにも磨きがかけられた。時間を忘れて楽しめる小説でありながら、読み終えた後に必ず、心に残るものがある。稀代のエンタイテイナー・松岡圭祐の作家性を象徴する、名シリーズとの出会い(もしくは再会)を、心ゆくまで楽しんでほしい。
吉田大助(書評家・文芸ライター)(解説より)
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目の前でカネが倍になる-。参考人たちが口を揃えてこう証言する奇妙な詐欺事件に、警視庁捜査二課の警部補・舛城徹は困惑していた。手品めいたトリックの匂いを感じた舛城の捜査に引っ掛かる、プロ用のマジックショップ。その社長を追った舛城の前に、マジシャンを志す一人の少女が現れる。その少女が語ったカネが倍に増えるトリックとは?警視庁に通報される金融関連詐欺事件の大半は立件できないという。中には「奇術詐欺」とも呼べる、凝ったトリックを使った事件も少なくない。余人の想像を絶するその手口とは?そしてその発案者の実像は?「人を騙すこと」を業とする「奇術師」対「詐欺師」の目くるめく頭脳戦。 2002/10/10 発売
現在最も注目されるアイルランド作家、トビーンによる長編歴史小説。トーマス・マンを主人公に、20世紀ドイツ文化の様相を包括的に描写した壮大な家族の物語。公の顔とプライバシー、愛国心と幻滅の間で揺れ動くマンの内奥世界を重厚に描き出す。 日本語版に寄せて 第一章 リューベック 一八九一年 第二章 リューベック 一八九二年 第三章 ミュンヘン 一八九三年 第四章 ミュンヘン 一九〇五年 第五章 ヴェニス 一九一一年 第六章 ミュンヘン 一九一四年 第七章 ミュンヘン 一九二二年 第八章 ルガーノ 一九三三年 第九章 キュスナハト 一九三四年 第十章 ニュージャージー 一九三八年 第十一章 スウェーデン 一九三九年 第十二章 プリンストン 一九四〇年 第十三章 パシフィック・パリセイド 一九四一年 第十四章 ワシントン 一九四二年 第十五章 ロスアンジェルス 一九四五年 第十六章 ロスアンジェルス 一九四八年 第十七章 ストックホルム 一九四九年 第十八章 ロスアンジェルス 一九五〇年 訳者あとがき 2024/03/11 発売