小説むすび | 螢川

螢川

螢川

著者

宮本輝

出版社

KADOKAWA

発売日

1980年3月3日 発売

堂島川と土佐堀川が合流し、安治川と名を変えていく一角、まだ焼跡の名残りを伝えていた、昭和30年の大阪の街を舞台に、河畔に住む少年と、川に浮かぶ廓舟で育つ姉弟のつかの間の交友を、不思議な静寂のうちに描く、太宰治賞受賞作「泥の河」。立山連峰を望む北陸の富山市を舞台に、熱を秘めた思春期の少年の心の動きと、いたち川のはるか上流に降るという蛍の大群の絢爛たる乱舞を、妖かに、抒情的に描き、芥川賞を受賞した「蛍川」。鮮烈な抒情がみなぎる、期待の新鋭の代表作二篇を収録。

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