小説日本(にっぽん)興業銀行(第3部)
中山素平は日本興業銀行副頭取の就任した。思えば日本開発銀行へ転出し、設立後の仕事、過労入院、造船疑獄と多難続きだった。輿望を担っての復帰とはいえ、製鉄、油田開発など産業基盤の整備という大仕事が待っていた。しかも師と仰ぐ元総裁河上弘一の訃報。興銀と中山素平の責務は、ますます重い。
中山素平は日本興業銀行副頭取の就任した。思えば日本開発銀行へ転出し、設立後の仕事、過労入院、造船疑獄と多難続きだった。輿望を担っての復帰とはいえ、製鉄、油田開発など産業基盤の整備という大仕事が待っていた。しかも師と仰ぐ元総裁河上弘一の訃報。興銀と中山素平の責務は、ますます重い。