日蓮
立正安国は法華経にあり!南無妙法蓮華経!捧げるは男の情熱。信ずるはその一念ー安房国の小湊の漁家に生を享けた善日丸は幼くして清澄山に入った。以来、救国の道を求めて懸命に切磋琢磨、勉学に励む。だが時の政権も民衆もいっかな眼を開こうとしない…迫害を超えて、信念を貫く炎の聖者の半生。
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日蓮日蓮
鎌倉時代中期。世上は鎌倉大震災を皮切りに天変地異に見舞われ、疫病が蔓延し、飢饉に苦しめられていた。その原因を仏典から解き明かそうとした僧侶・日蓮は、世の為政者が悪法に染まっているため、民を救うはずの仏や善神がこの国を去ってしまったからだと結論づける。至高の経典である「法華経」に帰依しなければ、さらなる厄災が起こるー日蓮は、鋭い舌鋒で他宗に法論を挑んでいくが、それは同時に、浄土宗や禅宗を重用する幕府の執権、北条氏を敵に回すことでもあった。疫病、星の乱れ、日蝕月蝕、暴風雨、日照りー「薬師経」に予言された七難のうち、未だ起こっていないのは「他国侵略」と「内乱」のみ。日蓮の思いは天に届くのか。苦しむ人々を救うため権力者たちと戦い続けたその半生を描く感動作。 2021/02/16 発売