三国志(四)
乱世の姦雄を自称し、天下を席捲した曹操も、関羽には弱かった。いかな好遇をもってしても、関羽の心を翻すことはできない。玄徳を慕って千里をひた走る関羽。そして劇的な再会。その頃、兄孫策の跡を継いだ呉の孫権は、恵まれた自然と豊富な人材のもと、国力を拡充させていた。失意の人玄徳も、三顧の礼をもって孔明を迎えることができ、ようやく天下人として開眼する。
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洛陽に還御した天子は、衰微している漢室を救えるのは山東にいる曹操以外にないと勅命を下し彼を招聘した。精兵20万を率いて入洛した曹操ではあったが、やがて帝を奉じて都を許都に移し、権力をことごとくわが手に収めてしまった。 1988/07/07 発売
冬のさなか、劉備は諸葛孔明の教えを乞おうと臥竜山にむかったが、二度とも会うことができない。年改まったある吉日、三たび孔明をたずねた。劉備の、世の乱れを憂える真情と「三顧の礼」に応えて孔明は、彼とともに新野に出、天下の形勢を論じることとなった。 1988/07/07 発売
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曹操の策略に落ち入り、さしもの豪傑関羽も落命。だが曹操の夢には夜毎に関羽が現れ病篤く、跡を曹丕に托して死を迎える。張飛は部下の恨みを買って寝首をかかれ、劉備もまた二弟の亡霊が自分を招いているのを見て、死の近いことをさとるのだった。 1988/07/07 発売
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蜀、魏、呉の創業の英雄たち、劉備、関羽、張飛、孔明、曹操、孫権らはすでに亡く、2代目以降の守成の時代となるやその活力の低下は苦しい。やがていずれも晋の皇帝司馬炎の軍門に下り天下は統一された。太唐元(西暦280)年のことである。 1988/07/07 発売
血わき肉おどる大ロマン全7巻。漢朝衰え、盗賊群がり起こる乱世、皇室の血をひく劉備玄徳、賊を平らげ民を救うべく、関羽・張飛の二豪傑と桃園に会して義兄弟の契りを結ぶ。波瀾万丈の物語いよいよ幕明け。 1988/12/01 発売
乱世を生きぬく縦横の機略!漢朝の献帝を意のままにする曹操は、呂布を曝し首にし、帝の密詔を手に命を狙う董承らを斬殺、さらに袁紹を官渡の戦いに破った。劉・関・張三兄弟と曹操の対決いまや目前。 1988/12/01 発売
大軍激突。手に汗にぎる赤壁の戦い実況ナマ中継。三顧の礼で劉備に迎えられた軍師諸葛孔明、早くも計を案じて曹操の軍を撃破。野望渦巻くなかに数々のエピソードも…。 1989/01/01 発売
戦乱、戦乱また戦乱奇策、謀略、数あまた。劉備・孫権の蜀呉連合、赤壁に曹操を破ったが、両者の思惑真向対立。曹操また敗戦の恨み日夜忘れず、ひそかに復讐を期す。 1989/01/01 発売
巨星墜つ!曹操・劉備の両雄、志なかばにして死す。曹操の跡を継いだ曹丕、漢の献帝を廃して魏を建国し、洛陽に遷都。漢の皇統を継いだ劉備、後事を丞相諸葛孔明に託す。 1989/02/01 発売
蜀の丞相諸葛孔明、泣いて馬謖を斬る。〈出師の表〉を奉じて北伐の目的を明確にした孔明、関中に進出し魏の心胆を寒からしむ。いよいよクライマックス五丈原の戦いへ。 1989/02/01 発売
大星諸葛孔明、五丈原に没す。蜀を倒した魏の司馬氏、魏帝を廃して晋を建国。さらに呉を降し、ここに晋の天下統一なる。中国古典最高の名作、堂々完結。 1989/03/01 発売
日本では卑弥呼が邪馬台国を統治する頃、中国は後漢も霊帝の代、政治の腐爛は黄巾賊を各地にはびこらせ、民衆は喘ぎ苦しむ。このとき、たく県は楼桑村の一青年劉備は、同志関羽、張飛と桃園に義盟を結び、害賊を討ち、世を救わんことを誓う。--以来100年の治乱興亡に展開する壮大な世紀のドラマ。その華麗な調べと哀婉の情は、吉川文学随一と定評のあるところである。 1989/03/24 発売
黄巾賊の乱は程なく鎮圧されたが、腐敗の土壌にはあだ花しか咲かない。霊帝の没後、十常侍に代って、董卓(とうたく)が権力の中枢に就いた。しかし、群雄こぞっての猛反撃に、天下は騒然。曹操が起ち袁紹が起つ。董卓の身辺には、古今無双の豪傑呂布(りょふ)が常に在り、刺客さえ容易に近づけない。その呂布が恋したのが、董卓の寵姫貂蝉(ちょうせん)。傾国という言葉は「三国志」にこそふさわしい。 1989/03/24 発売
黄巾賊の乱より10年、天下の形勢は大いに変っていた。献帝はあってなきものの如く、群雄のうちにあっては、曹操が抜きんでた存在となっていた。劉備玄徳は、関羽、張飛を擁するものの一進一退、小沛の城を守るのみ。打倒曹操!その声は諸侯の間に満ち、国舅(こっきゅう)董承を中心に馬騰、玄徳など7人の謀議はつづく。誰が猫の首に鈴をつけるのか。--選ばれたのは、当代一の名医吉平。 1989/03/24 発売
新野を捨てた玄徳は千里を敗走。曹操はなおも追撃の手をゆるめない。江夏にわずかに余喘を保つ玄徳軍に対し、潰滅の策をたてた。天下の大魚を共に釣ろう、との曹操の檄は呉に飛んだ。しかし、これは呉の降参を意味する。呉の逡巡を孔明が見逃すはずはない。一帆の風雲に乗じ、孔明は三寸不爛の舌をもって孫権を説き伏せる。かくて史上有名な会戦、赤壁の大捷に導き、曹操軍は敗走する。 1989/03/24 発売
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志を継ぐ者の炎は消えず。曹真を大将軍とする三十万の魏軍の進攻に対し、諸葛亮孔明率いる蜀軍は、迎撃の陣を南鄭に構えた。先鋒を退け、緒戦を制した蜀軍だったが、長雨に両軍撤退を余儀なくされる。蜀の存亡を賭け、魏への侵攻に『漢』の旗を掲げる孔明。長安を死守すべく、魏の運命を背負う司馬懿。そして、時代を生き抜いた馬超、爰京は、戦いの果てに何を見るのか。壮大な叙事詩の幕が厳かに降りる。北方「三国志」堂々の完結。 2002/06/05 発売
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徳政を目指した順帝も急逝し、後漢王朝は外戚と宦官による腐敗を深めてゆく。そのような永寿元年(西暦155年)に、曹操は生まれた。続いて孫堅・劉備が。三十年後、宗教組織・太平道の信者を核に三十六万人が黄巾の叛乱に応じた時、曹操と孫堅は討伐軍に参加、劉備は学問を諦めて無類集団の中心となっていた。 2008/10/10 発売
二世紀末、中国後漢末期、政治は腐敗し、黄巾賊が各地にはびこって、民衆は苦しんでいた。青年劉備は、同志関羽、張飛と桃園で義盟を結び、世を救うことを誓う。ここに百年に亘る治乱興亡の壮大なドラマの幕が開く。吉川英治の名著『三国志』本編のみをまとめた新装版。「桃園の巻」「群星の巻」収録。 2008/10/15 発売
黄巾の乱から十年、天下の形勢は大きく変わり、曹操が抜きんでた存在となっていた。劉備は関羽、張飛を擁するものの今は小沛の城を守るのみ。しかし、諸侯の間に日増しに高まる打倒曹操の声に、劉備も謀議の仲間に加わる。吉川英治の名著『三国志』本編のみをまとめた新装版。「草莽の巻」「臣道の巻」収録。 2008/10/15 発売
劉備は三顧の礼をもって孔明を迎え入れ、天下人として開眼するが、曹操の追撃の手は一向に緩まない。国力を拡充させていた呉の孫権に、檄を飛ばす曹操。孫権を説き伏せる孔明。かくて、赤壁での会戦へと時は流れていく。吉川英治の名著『三国志』本編のみをまとめた新装版。「孔明の巻」「赤壁の巻」収録。 2008/10/15 発売
赤壁の戦いで、曹操は大敗。劉備は蜀を得て、魏・呉・蜀三国の争いは、ますます激しくなり、呉の周瑜、蜀の孔明、両知将の謀略の戦いが演じられる。一方、頭角を現し始める司馬仲達の進言で、曹操も失地回復を窮う。吉川英治の名著『三国志』本編のみをまとめた新装版。「望蜀の巻」「図南の巻」収録。 2008/10/15 発売
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霊帝が崩御すると、宮中で宦官の大殺戮が起きた。この混乱に乗じて力を得た董卓は独裁者となり、皇帝を長安へ移し、洛陽の都を焼き払う。各地の叛乱は中央を離れた独自の勢力となりつつあったが、強大な董卓軍に最初に戦いを挑んだ曹操は惨敗し、次に戦った孫堅が大勝した。劉備は北方の公孫〓(さん)の元で、黄巾軍に初めて快勝する。文庫版オリジナル書き下ろし『後漢と三国の仏教事情』(一)-秦の始皇帝と兵馬俑など。 2009/10/09 発売
董卓に大敗した曹操は、〓(えん)州を拠点に黄巾軍を味方に引き入れていく。だが徐州の陶謙に父を殺され、仇討ちに徐州へ大虐殺の軍を進めている間、〓(えん)州で叛逆が起き、窮地に追い込まれた。朝廷では董卓が謀殺されたが、董卓軍の将たちが幼帝を奪い合い、帝は都を出て逃亡する。孫堅は急死し、息子の孫策は袁術を頼って揚州へ赴いた。文庫版オリジナル書き下ろし『後漢と三国の仏教事情』(二)収録ー漢の武帝とシルクロードなど。 2009/10/09 発売
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袁氏を滅ぼし勢いづく曹操。だが、諸葛亮と劉備の出会いがその霸道を阻む。曹操、孫権、劉備。三者が天下に並び立つ完成図を胸に献策を続ける諸葛亮。次第に力をつけた孫権は劉備とともに曹操を攻めるー「赤壁の戦い」である。曹操軍は水上戦で得意の鶴翼の陣を展開し勝利を手にするはずが、疫病と風に足元を掬われ、窮地に陥る。 2010/10/08 発売
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後世に名高い「出師の表」を書き、孔明は魏を征伐すべく軍を発する。しかし先鋒を任せた馬謖は兵法には精通しているが実戦経験に乏しく、惨敗を喫す。未だ成熟をみない国の法を重んじ、涙を流しながら馬謖を誅す孔明。一方、尊号を王から皇帝に改めた孫権は、早期の天下平定を目指し遼東の公孫淵と手を結ぼうと使者を送るが…。 2013/10/10 発売