暗愚の大名か、美への殉教者か?戦国動乱期ー武より美を選び、滅びに身を任せた大内義隆の数奇な生涯。
室町期、西日本切っての勢力を誇る守護大名大内氏の三十一代当主義隆はとりわけ貴族趣味が強く、武力強化よりも京都文化の摂取に熱中する。山口を京都の街並みに模し、文化人を招いては宴を催した。その結果、家臣間に亀裂を生み、やがては救いがたい破滅への道をたどることになるが…。大内氏の栄光と失墜を活写する長編。 1990/08/01 発売